テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第二話 ヒロインの影
朝の光は平等に降り注ぐはずなのに、
どうしてか、私の場所だけ薄暗い気がした。
教室に入ると、既に二人はそこに居た。
アメリカさん――自由な貴方は窓際で笑っている。
その隣は――パラオ。自然にそこに居る存在。
まるで最初から“そう配置されていた“みたいに
二人は違和感なく並んでいた。
―――――――――――――――――――――
「にぽん!おはよー」
また、同じ声。
同じ笑顔。
でも今日は、少しだけ違って見えた。
それはきっと――
“気付いてしまったから“
―――――――――――――――――――――
1時間目の授業中。
先生の声は遠く、黒板の文字はぼやける。
日本の視線は、無意識に前の席へ。
アメリカが何かをパラオに見せて、
パラオが笑う。
その笑顔は、波のない海みたいに穏やかで、
見るだけで安心してしまう。
(あぁ… )
日本は思う…
(勝てないな)
それは敗北宣言みたいなものだった。
誰に言うでも無く、自分の中で静かに終わる。
―――――――――――――――――――――
休み時間。
クラスメイトがパラオ達を囲む。
「パラオってマジで優しいよな」
「分かる、なんか安心する。」
私は少し離れた席でそれを聞いていた。
まるで観客席から舞台を見ているみたいに。
―――――――――――――――――――――
(私は、あぁなれないですね… )
心の中で呟く。
パラオは特別な事をしている訳じゃない。
でも空気みたいに自然に人の中に入り込める。
それは努力じゃ届かない類のものだった。
―――――――――――――――――――――
昼休み。
珍しく、パラオが私の席へやって来る。
「ねえにぽん!一緒にお弁当食べない?」
その一言に、胸が少しだけ跳ねる。
「…いいの?」
「もちろん!」
その笑顔は本物で
だからこそ少しだけ…残酷なものだった。
―――――――――――――――――――――
三人食べる昼ごはん。
距離は近いのに、
心だけが遠い。
貴方が笑う度、
彼女がそれに応える度、
私の胸が張り裂けそうになる。
―――――――――――――――――――――
「日本ってさ、昔っから優しいよな」
不意に貴方が言う。
「え……?」
「なんか落ち着くっつーか」
その言葉に、一瞬だけ期待が生まれる。
でも――彼女は応える。
「わかる!」
とパラオが続ける。
「にぽんって安心するよね!」
嗚呼、貴女じゃなく彼に言って欲しかった…
けどそんな夢、叶いませんよね……
―――――――――――――――――――――
その瞬間、私は理解した。
――私は
ヒロインじゃない
優しい。安心する。落ち着く。
どれも褒め言葉なのに、
どこか選ばれない理由にも聞こえた。
―――――――――――――――――――――
放課後。
廊下の窓から見える夕焼けは、やけに赤い。
私は一人で立ち止まる。
教室の中では、まだ二人が話している。
その光景は、
まるで…いや完全に完成された絵みたいだった
あの絵の中には誰も入る事が出来ない…
誰も…余白なんて求めていない……
又だ。あの絵を見る度に私の心は醜くなる。
そして私は――
物語の外側に居るんだ
私は今までずっと片想いの女の子だと思ってた
違う
負けヒロイン――
はい!どうでしたか?今回は長く書きました😊ぜひ感想書いてください!この話は12話ぐらいです終わろうと思ってます!
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!