?「全部壊れて無くなってしまえばいいのに」
静まり返った夜の街に彼の声だけが聞こえる。
?「なんで壊しちゃいけないの?ニコ」
俺に向けられたその笑顔は、黒く、深く、終わりを告げるようなそんな眼差しだった。
彼は犯罪者だ。その手で4000人近い数の人間を殺してきた。
たった16歳という若さで。
?「昨日は誰かが傷ついて、今日は誰かが殺されて、明日は誰かが涙を流す。」
?「世界はそれでも平和だと言った。」
?「そんな嘘つきな世界僕が壊してあげるよ。これが本当の下剋上。」
?「君はそれを撮り続けるんだ。」
血がべったりとついた刃物をこちらに向けて話す君は
覚悟を決めた顔つきだった。
僕は撮り続けなければならない、彼の戦いを。訴えを。
もう戻るつもりはない。
🍣「うん。俺は君の相棒で、君は世界への発信者だから」
俺たちの最後の冬が始まろうとしていた







