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41 - 第39話 副作用

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2024年11月27日

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最初の拠点に戻ることを決めた一行は、火山での激闘を終え、疲れ切った体を休めるためにその場を離れることにした。火山の頂上で無事にアーティファクトを手に入れたものの、ゆうなの死を告げなければならないという重い現実が待っていた。

船に乗り、揺れる海を越えて、ようやく拠点が見えてきた。遠くに見えるブラキオサウルスのリオとその夫サニー、そして、虎と小型肉食獣たちが元気に動き回っているのが確認できた。

「リオ! サニー!」

いさなが、最初に叫んだ。リオは、重い体を揺らしながら歩み寄ってきたが、その表情にはどこか懐かしさと安堵が混じっていた。サニーもその隣で、少し緊張した面持ちで立っていた。

「久しぶりだな。」

サニーはにっこりと微笑んで言う。リオも少し照れくさそうに首を傾げる。

「リオ、サニー、会えて嬉しいよ。」

萌香も安堵の表情を浮かべて、二匹に近づいた。あんなに遠くへ行っていたのに、無事に戻ってこれたことが何より嬉しい。

だが、嬉しい再会もつかの間だった。いさなは深刻な顔をしながら、立ち止まる。

「サニー、リオ…、実は…」

いさなの声が少し震えた。サニーとリオがその表情を察して、すぐに話を聞こうとした。

「ゆうなが…」

いさなは言葉を詰まらせ、しばらく沈黙した。萌香もそっと彼の横に立ち、同じように重い空気を漂わせていた。リオとサニーが真剣な表情で二人を見つめる。

「ゆうなが…」

ついに、いさなが深呼吸をして、続けた。

「火山で…落ちてしまった。マグマに…」

その言葉を聞いた瞬間、リオは驚きの表情を浮かべ、サニーもそれに続いて眉をひそめた。虎と小型肉食獣たちも、その場に立ち尽くし、まるで何かを察したかのように静まり返った。

「…そうか。」

サニーが静かに言う。リオも口を開こうとしたが、言葉が見つからなかったようで、黙って首を垂れた。

「彼女を失ったことは、僕たちにとっても痛手だ。」

いさながつぶやいた。その言葉には、彼自身がどれほどゆうなを大切に思っていたのかがにじみ出ていた。

その後、少しの間、静寂が続いた。動物たちはその様子を見守り、言葉を発することなく、ただその場に立ち尽くしていた。

再会とともに、悲しい知らせも伝えたが、これで終わりではない。いさなはゆうなの死を受け入れつつ、前に進むことを誓った。彼の心には、まだ目指すべき場所があり、達成すべき目標が残っていた。

「これからどうするんだ?」

サニーが心配そうに尋ねると、いさなはしばらく黙ってから答えた。

「アーティファクトはあと4つ。それを集めるために、まだ進まなければならない。」

いさなは深く息を吐いて、決意を新たにした。

「僕たちは、ゆうなのためにも、すべてのアーティファクトを集めるんだ。」

萌香もその言葉に頷き、力強い表情で言った。

「そうだね。彼女のためにも。」

リオとサニーはその言葉に深く頷き、恐竜たちも再び何も言わず、ただその決意を静かに受け止めた。拠点での休息を取り、次に向かうべき場所を決めた一行。だが、萌香はどこか落ち着かない様子だった。何かが心に引っかかっているように見えたが、彼女はそれを口に出すことなく、沈黙を守っていた。

その夜、いさなは萌香と少しだけ距離を取って、彼女が何か気になることがあるのではないかと考え、声をかけた。

「萌香、最近、ちょっとおかしいと思うんだけど…」

いさなの言葉に、萌香は少し驚いたように顔を上げた。目を合わせると、すぐに思いつかない様子で少しだけ視線をそらした。

「な、なんでもないよ…。」

萌香は照れくさそうに答えるが、その顔に浮かんでいた微かな困惑をいさなは見逃さなかった。

「本当に? 君、最近失禁してることが多くないか?」

いさながその一言を発した瞬間、萌香の顔が真っ赤になった。彼女はすぐに何かを隠すように手で顔を覆ったが、その表情は何かを言いたそうだった。

「それは…」

萌香が言葉を飲み込み、しばらく沈黙が続く。いさながさらに続ける。

「もし何か理由があるなら、無理に隠さなくていいんだよ。」

彼の言葉に、萌香は深いため息をつきながら顔を上げた。

「実は、神様が関係してるの。」

彼女がついに口を開くと、いさなの目は驚きと共に見開かれた。神様? それは一体どういうことなのか、彼には全く予想もつかなかった。

「神様…?」

いさなは言葉を続ける。

「うん、あの神様だよ。」

萌香は少し照れながら、視線を下に落とした。「実は私、最初にあの神様と出会った時、お願いをしたの。『どうか、強くて勇敢な女性になりたい』って。でも、その願いがどうやら少し過剰だったみたいで…。」

いさなの表情が混乱したまま。

「強くて勇敢…? それで失禁と何の関係が?」

いさなの質問に、萌香は少し苦笑しながら続けた。

「最初は、あの願いを聞いてもらえたことにすごく感謝してた。でも、どうやら神様の魔法がちょっと強すぎて、私の身体の一部が…暴走しちゃったみたい。」

その言葉を聞いたいさなは、思わず目を見開く。

「暴走?」

いさなはその場で考え込んでしまう。

「はい…。どうやら、神様が私に強さを与えた結果、身体的な部分でも一種の負荷がかかってしまったみたいで…。それで、自然と…。」

萌香は顔を赤くして言葉を続けたが、恥ずかしさからそれ以上は言えなかった。

「つまり…あの願いが原因で、身体に不調が?」

いさなは整理しようとしながら、真剣な顔で聞く。

「そう…私、あの時のお願いが少し過剰すぎたのかな。でも、最初はただの勇気をもらいたかっただけだったのに。」

萌香の言葉には、どこか悔しさと同時に驚きの気持ちが混じっていた。

「なるほど。つまり、神様が与えた力が副作用を引き起こしている、ということか。」

いさながつぶやくと、萌香は少しだけ肩を落とし、何かを決意したように言った。

「でも、今はもう仕方ない。どんなに辛くても、私は進まなきゃならない。」

その言葉に、いさなは頷く。

「それでいい。君は強いから、そんなことを気にしなくていいんだよ。」

いさなは微笑んで、萌香を励ました。

しばらくして、萌香が改めて思い出したように言った。

「でも、神様にはお礼をしなきゃね。あの時のお願いがなかったら、ここまで来ることもできなかった。」

萌香は前向きに笑う。

「うん。神様に感謝しないと。」

いさなが同意する。

そして、いさなは少し考えてから言った。

「でも、次に会うときには、お願いを頼むときはもう少し控えめに頼んだ方がいいかもね。」

萌香は笑いながら頷いた。

「そうだね…。次は、もっと慎重にお願いしようかな。」

二人はその言葉を交わし、少し安心したような表情を浮かべながら、再びアーティファクトを集める冒険へと向かう準備を整えていた。

突然、空が揺れ、周囲の空気が変わった。まるで、時空の扉が開かれたかのように、何か大きな力が動いた感じがした。

「な、何だ…?」

いさなが顔を上げると、空の向こうから現れたのは、明るい光を放つ存在、神様その人だった。彼はまるでおとぎ話に出てくるような、豪華な衣装をまとい、温かい笑顔を浮かべて歩いてきた。

その姿には、どこか優しさと同時に、少し楽しそうなニヤけた表情もあった。神様はゆっくりと地面に降り立ち、そのまま萌香といさなの方へ向かって歩きながら、にっこりと笑った。

「やあ、やあ!久しぶりだね!元気だったかい?」

その明るい声に、萌香もいさなも一瞬驚き、言葉を失った。しかし、すぐに神様のあまりにも明るい態度に、少しばかり警戒心が解けてきた。

「お、おお…神様?」

萌香がやっと言葉を発し、少し困ったように顔を向けると、神様はにっこりと笑いながら答えた。

「その通りさ!僕が神様だよ!いやぁ、やっと君たちに会えて嬉しいなぁ。」

神様は両手を広げて、まるで大きなハグをするかのような動作を見せた。だが、その後に続いた言葉がまた微妙におかしかった。

「でも、ちょっとごめんね…君たちのお願い、かなり強引だったから、ちょっとしたおまけもつけちゃったんだ。」

その言葉に、萌香は顔を赤くし、思わず身を震わせた。

「おまけ…?」

いさなが眉をひそめて尋ねると、神様はニヤけながら言った。

「うん、そう!あのお願い、ちょっと神様的には“うーん”って感じだったんだよね。でも、まあ、それでも君たちの力になりたかったからさ。だから、ついでに“ちょっとした副作用”を加えちゃったんだよ!」

その言葉に、萌香はますます赤くなった。

「副作用って…どういう意味ですか?」

いさなの質問に、神様は少しだけ大げさに肩をすくめた。

「まぁね、力を与えるのはいいんだけど、どうしても人間の体が追いつかないことがあるんだよ。で、君の身体がその影響を受けてしまったんだ、萌香ちゃん。」

萌香は言葉に詰まり、恥ずかしさから顔をさらに隠したくなったが、神様はまるで何も気にしていない様子で続けた。

「でも大丈夫!君が最初にお願いしたとき、僕はちゃんと助けてくれるよって約束しただろ?だから、安心して!その副作用も、ちょっとだけ気をつければすぐに収まるよ。」

神様は満面の笑みを浮かべて、何も問題がないかのように言った。

「本当に…?」

萌香は疑念の目を向けつつも、少し安堵した様子で聞いた。

「うん!それに、君たちがアーティファクトを集めるのに困ったら、僕がまた力を貸してあげるよ。」

神様はにっこりと微笑んで、また少しニヤけた顔を見せた。いさなは神様の表情に少し不安を感じながらも、どこか謎めいたものを感じ取っていた。

「でも、神様。君がこんなに明るくておおらかだと、どうしてもあまり信じられない部分があるんだけど…」

いさなが言うと、神様はさらにニヤっとした笑顔を浮かべ、肩をすくめた。

「そうだろうね!だって、僕だってただの“神様”なんだよ、特別に怖い存在じゃないから、もっと気楽に接してくれたらいいんだよ!」

その言葉に、いさなは少し心が軽くなった気がした。

「それで、萌香の…失禁のことについてはどうすれば?」

いさなが少し不安げに尋ねると、神様は真剣な顔になり、しばらく黙ってから答えた。

「うーん、こればかりは僕でも完全に直すことはできないけど…君の願いは強かったから、その力が少し強すぎたんだ。だけど、少しだけ工夫すれば、収まるはずだよ。」

神様は再び笑顔になり、手をひらひらと振ってみせた。

「とにかく、これからも頑張って!君たちならきっとアーティファクトを集めて、東京に帰る方法を見つけられるよ!」

そう言うと、神様はまたニヤけた顔を浮かべながら、空へと昇っていった。



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