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コメント
10件
てーてー♡
Loveです
可愛くて可愛くて死にそうだ……
最近、元貴はどうしても、
滉斗のことを考えすぎてしまう。
階段でのキスが噂になってから、
みんなの視線が気になり、
滉斗と目を合わせるだけで顔が赤くなる。
元貴『先輩、おはようございます、』
声も小さく、どこかそっけない返事――
昼休みも、滉斗に会わないように、違う場所に
いたり、わざと滉斗の視線を避けてしまう。
元貴(だって、こんなにドキドキしてるって
気付かれたくないし……)
そんな元貴の態度に、滉斗はすぐ気付いた。
滉斗(…最近、なんか冷たい、
理由を聞いてもごまかしてる…)
怒っているというより、不安――
“もしかして本気で嫌われた…?”
なんてぐるぐる考えてしまう滉斗だった。
放課後。
人気のない教室で、
ついに滉斗は元貴を呼び止める。
滉斗『元貴、なんで最近避けるんだよ』
元貴『そ、そんなことないです…』
滉斗『…嘘、俺の目、ちゃんと見て言えんの?』
滉斗が机越しにぐっと身を乗り出し、
元貴の顎をそっと掴む。
元貴(近い、近い…!///)
滉斗『本当に俺のこと嫌いになった、?』
元貴『そ、そんな訳ないです、!//』
元貴は思わず大声になってしまう。
滉斗『…なら、なんで冷たくするの、
俺だけが馬鹿みたいに好きみたいじゃん…』
滉斗の声はいつもより低く、少し寂しそう。
元貴は胸がぎゅっとして、咄嗟に目を逸らす。
その瞬間――
滉斗『…今度は逃がさない』
滉斗は勢いよく元貴を引き寄せ、
そのまま椅子ごと軽く抱きしめる。
そして、溶けるほど甘い――独占キス。
キスはどんどん深くなり、
滉斗の温もりが全身に伝わってくる。
呼吸さえ忘れるくらい、
長くて、意地悪で、でも優しい。
滉斗『…お仕置き、
最近、冷たかった分、倍にして返すから、』
そのまま耳元で囁き、
滉斗は頬に、首筋に、
小さなキスを何度も落とす。
滉斗『もう絶対素っ気なくしないって、
約束して』
とろけるような声で言われ、
元貴はたまらずうなずく。
元貴『分かりました…
先輩が好きすぎて、
どうしたらいいか分かんなくなっちゃって…//』
滉斗『俺も好きすぎて、我慢効かないから』
最後は二人、抱きしめ合って息を重ね、
教室にはふたりの甘い吐息だけが響いていた。
教室の静けさに包まれて、
滉斗の余韻たっぷりのキスが元貴の唇に残る。
元貴がふるふると赤くなったまま俯くと、
滉斗はふいに元貴の頬に指をそっと滑らせた。
滉斗『…まだ終わりじゃないから、
冷たくされた分、
ちゃんと“お仕置き”しないとね…』
元貴『先輩…もう、十分…///』
滉斗『全然、俺が足りない』
滉斗はいたずらっぽく微笑むと、
椅子ごと元貴を自分の方へぐっと引き寄せる。
滉斗『じゃあ、今度は、元貴から、
“先輩が好き”って伝えて…キスで、』
一瞬、元貴は目を丸くする。
元貴『じ、自分からですか…?///』
滉斗『もちろん、
俺だけが好きって言うの、不公平だろ』
滉斗の優しい目が、
ほんの少しだけ不器用な寂しさを滲ませる。
その瞳に抗えず、元貴はそっと指先を滉
斗の手の甲に重ねる。
ドキドキしながら顔を近づけて――
おずおずと滉斗の頬に小さなキス。
元貴『……先輩、好きです、///』
聞こえるか聞こえないかのかすれた声。
でも、滉斗はすぐにその背中を抱きしめ、
耳元で囁く。
滉斗『ずるいよ、今度はちゃんと、ここ』
指で自分の唇をそっと示す。
元貴は震える手で、
そっと滉斗の顔を両手で包み――
今度は真正面からそっと唇を重ねる。
触れるだけの、でも真っすぐなキス。
キスのあと、滉斗は満足そうに微笑んだ。
滉斗『…よくできました、
もう逃がさないからな』
それでも、名残惜しそうにもう一度口づける。
滉斗『もっと…元貴からキスして』
元貴『…そんな、恥ずかしい……』
滉斗『お仕置きが終わるまで、何回も、』
そしてまた、ひとつ。
唇を重ねるたび、滉斗の独占欲と、
元貴の“好き”とが、静かな教室に満ちていく。
気付けば外は薄暗くなり、
『元貴、そろそろ帰ろう』と
肩を抱かれて教室を出る2人。
手を繋ぐ掌には、
まだ甘くて熱い余韻が残っていた。
元貴『…先輩、明日も甘えていいですか、?//』
滉斗『かわい…///
明日も“お仕置き”覚悟しといて、』
もう元貴は、
前みたいに素っ気なくはできそうになかった。