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「そういえば、皆はどんな能力を持っているんだい?ネネやミズキは知っているんだけれど…」
「あー…」
話は長くなったが、ルイに面識のある人の能力を教えた。
ツカサ様は光を操る能力。光で味方を照らし、敵を目眩ましする。代々受け継がれる能力で、その中でもツカサ様は光の力が強かったらしい。
シノノメアキトは炎。どこもかしこも燃やすわけではなく、自分の狙った対象のみ燃えるようになっている。それでもやはり炎は当てないと能力は発揮できない。
アオヤギトウヤは水。シノノメさんとは違い能力を使うと濡れてしまうので注意。凍らすことはできるので敵の足止めには有利。
アサヒナマフユは薬の調合で能力の効果が替わる…らしい。回復能力が基本。使い方を変えると毒になる。
「位かな」
「ありがとう。ネネ」
ちなみに私は音を操る能力を持っている。味方に歌で癒しを与えるのが大体。超音波にして敵の鼓膜を破ることも頑張ろうと思えばできる。
アキヤマミズキは鏡を使うらしい。敵の攻撃を跳ね返すとか。結構有利だと思う。
「じゃあ、ルイはどんな能力なの?」
お馴染みだけど、ルイの能力を聞いた覚えははなかった。
「…………」
「いや、なんだったかなぁ?」
そう言ってルイは苦笑いを浮かべた。
「でも絵にも能力を使ってるんじゃ?」
「そうなんだけれどねぇ…全体的に使っているから、説明が難しいよ。」
「そう、なんだ…」
私には仕事があったので、騎士団たちのところに行くことを提案し、その場を後にした。
何となく周りがいつもよりもドタバタといていた。
「あの…!何かあったんですか?」
近くにいた執事に聞くと、私は思わず固まってしまった。
私はやっと我に帰り、とんでもないことになっていることを理解した。
ルイに伝えるため、部屋を訪れた。
私は、不思議なものをみた。
「キャンバス…?」
それは雑に机の上にあった。
青や黒などの暗い色を塗りつぶすように黄色や橙色が上に重ね塗りされている。
何かを描いているわけではないが、それは不安の中に安心があるように見えた。
はっ!とし、ルイを探しに行こうとしたとき
またしても私は不思議なものをみた。
キャンバスの上の絵の具がぐにゃりと歪み始め、明るい色はなくなり、青や水色、所々に紫色が入っていた。
何かを描いているわけではない、よりも原型をとどめていないの方が言葉としては正しいように思えた。
さっきのとはまた違う、悲しみが現れているような気がした。
「それよりもルイに危険を知らせないと!」
パニックになっていたせいで忘れていたが、さっき騎士団のところに行くことをおすすめしていた。
不思議だったが、それはあとにしてルイの元へ急いだ。