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さくらが好きだ。
そう思い始めたのはいつだろう。
気付いたらさくらの動作、言動を追ってしまっていた。
まさか私が同じ女の子を好きになってしまうなんて。
4月、私は高校生になった。高校生になっても目立たず、少しくらい友達をつくって、適当に勉強して、適当に過ごしていようと思っていた。そうだった。実際そうして過ごしていた。桜の花びらが舞う中、私はつくったばかりの友達、茨木澪と帰路を共にしていた。うちのクラスの先生ハズレだよねなんてくだらないことばかり口にしながら桜の並木道を通る。私はこの並木道が好きだった。