【白いアザレアを貴女へ】
キャラ設定
私…花満 叶恋 ハナミチ カコ
彼女…百合谷 愛桜 ユリヤ アオ
※百合(GL)・心中表現・暴力表現
セリフ…叶恋「〜〜」、愛桜『〜〜』
私には恋人がいる。
でも、他の人には付き合ってることを内緒にしている。
なぜなのか。それは2人とも女の子だからだ。
今の時代、それも認める人も多くなってきただろう。でも、私たちの周りにはそんな人は居なかった。
私の恋人はとても愛おしく、守りたくなる存在なのだ。
でもその反面、その愛おしく顔をぐっちゃぐちゃに歪ませたくなる。
首を絞めてヨダレを垂らしながら泣いて縋るのも、死なない程度に刺して血を吐きながら後ずさりするのも、
数えられないほど考えたことだろう。
でもそんな彼女を想像する度に純粋な笑顔の彼女が脳内で出てくる。
そんな彼女を見ると「今はこの笑顔を守りたい」という気持ちになる。
私は愛桜をどうしたいのだろう…
ある日、愛桜からお願いごとを頼まれた。
『私の首絞めてみてくれない?』
私は思わず
「えっ?」
と言った。その後すぐに
「どうして?」
と、願い事の理由を聞いた。
彼女の返答は
『ゲームで愛する人たちが首を絞めてるのをみたの
それで首を締められるってどんな感覚なんだろって思って』
私はチャンスだと思った
念願だったことがやっと叶うのだから。
「本気でやるけど大丈夫?本当にやるの?」
『うん、 やってみたい』
「…わかった」
私の手が彼女の色白い首に食い込んでいく
『うぁッはぁッ 』
彼女は息を漏らす
思わず笑みがこぼれる。それに加え、嬉しくてついつい調子に乗ってしまう。
「ははッ 可愛いね♡」
『はぇッ?』
今は愛桜のどんな行動も言葉も愛おしい。
そしてついにやらかしてしまう…
『ゔぁッし…ぬッ』
『息、できないッ』
その時、私は正気に戻って手を離した
「ご、ごめん…!
しんどかったよね…?」
『ゴホッ ちょっとね?
でも、それ以上に』
彼女の口からは私が予想もしていなかった言葉が出た。
『気持ちよかった…♡』
その瞬間私は悟った
“私と愛桜は運命の相手”
なんだ、と
その日から彼女のお願い事は増えていった
私は全然良かったがこのままでは彼女の体力が持たない
そこで私はこんなお願いをしてみた
「ねぇ今日は私の首絞めてみてくれない?」
普段私はやる側だからやられる側の気持ちは分からない
だから好奇心と彼女の気持ちになるためにこんなお願いをしたのだ
彼女の返答は
『いいの?なんか新鮮…!』
とても嬉しそうだ
『やるよ…』
「ん…」
彼女の細くて華奢な手が私の首に食い込む
「うぁ゙」
「はッぁ…」
想像より遥かに力が強く、 首をへし折るかのような強さで驚いてしまった
それと同時に今まで感じたことの無い快楽に陥った
ふと彼女の顔が私の目に映る
その彼女の顔はいつものような純粋な笑顔ではなく、“狂気に満ち溢れた笑顔”だった
私は勿論そんな愛桜も愛している
それよりか前よりもっと好きになった。そんな顔もできるのかと…
目の前が霞んできた
息もできない
そろそろ辞めなければならなくなってきた
「いぎッできな゙ッ…」
『あっ!ご、ごめん…大丈夫?』
「うんッ大丈夫だよ」
彼女は優しく私の体調を心配してくれた
本当に優しい。
ある日、母に首の跡がバレた
母はとても激怒した
<そんなことをするなんて!DVだ!>
違う、私から頼んだのに
<どこの男なんだい!?>
男じゃない
<そんな男とは別れなさい!>
嫌だ、愛し合ってるのに…なんで?
私は愛桜と別れるくらいなら死んでやる
だが、一応愛桜には相談しようと思いスマホを開く
「ねぇ愛桜…首の跡お母さんにバレちゃった」
『えっ!?どうなったの?』
「そんな人とは別れなさいだって」
「私、別れたくない」
「別れるくらいなら死んでやろうかなって 」
『だめだよそんな事』
やっぱりね愛桜なら言うと思ってたよ
『どうせ叶恋なら、1人で死ぬって考えてるんでしょ?』
『私を置いていくの?死ぬなら一緒に、ね?』
思わず声が漏れた
彼女から考えもしない言葉が出たからだ
「つまり心中ってこと?」
『うんそう』
「いいの?巻き込んじゃうよ?」
『いいよ』
『別れても、死んでもどうせ私は1人になる』
『なら一緒に死の?』
「うん…ありがと!」
私は嬉しくすぐさま予定を決めた
どうやって死ぬか、どこでやるか、何時やるのか
当日、私は罪悪感に押しつぶされそうだった
1人でいいことなのに愛桜を巻き込んでしまった
でも、そんなことを考えるのはやめた
だって彼女が自分から言ってくれたんだ
これ程嬉しいものは無い
最期に遺書でも書いておこう…
心中する場所に着いた
心中方法はOD。
1人2瓶全部飲みきり、最後に2つだけ口移しで飲む
場所は近所の海、そこに少し小さな洞窟がある。そこでする
そうこうしているうちに彼女が来た
向かってくる彼女の胸元に光るものが見えた
ペアネックレスだ。 二つで一つのものを2人で分けて会う時には必ずくっつけようという約束なのだ
『叶恋これ付けよ?』
「うん」
「最期までちゃんと持ってくるなんで律儀だねー」
『違うよ〜最期だからこそ持ってくるんでしょー?』
「確かにねぇw」
他愛もない話。いつも通りのようだこれから死ぬというのに
『そろそろ始める?』
「そうしよっか」
大量の粒を口の中に入れ飲み込む
大量の粒が喉を通過するのを感じる
薬を飲みきり次は口移し…
その時、愛桜が口を開いた
『私からやってもいい?』
普段受け身な彼女からそんな言葉を言うとは思わなかったが
「いいよ」
私はすんなりと承諾した
彼女は自分の口に薬を入れ私に口付けをした。
最初はただの甘いキスだったが、数秒たった後に彼女は私の喉に薬を突き出す
思わず目を見開く
喉の奥の方まで薬が届いて飲まざるを得ない状況になった。私は薬を飲み込んだ
次は私の番
彼女は口を軽く開けてくれてる
彼女と同じ方法で私は自分の舌に薬を乗せ彼女に口付けをした。
薬が溶け始めた頃私は彼女の喉に一気に押し込んだ
彼女は少し体を震わせた
彼女は薬を飲みこみ、唇を離した
2人とも意識が朦朧としてきたとこで、私は愛桜にあるものを渡した
『これは…?』
「これは…白色のアザレアっていう花…! 」
そう、私は朝に白いアザレアの花束を買ってきたのだ
花言葉は…
「あなたに愛されて幸せ」
愛桜は目を見開き、小粒の涙を流した
そんな彼女を見て、私も涙が流れる
「愛桜、愛してる…ッ」
『私もよ…』
『宇宙一愛してる…』
2人はアザレアの花束とペアネックレスを握り、手をつなぎながら目を瞑った。
「愛桜…来世も一緒になってくれる…?」
『勿論よ…来世は絶対に結婚しよ?叶恋…』
「うん…!おやすみ…!」
『おやすみ…! 』
【白いアザレアを貴女へ】 END
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