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第九話:心の距離が縮まって
陽翔は朝、真白が隣で眠っているのを見て、幸せな気持ちに包まれていた。
最近、真白との関係がどんどん深まっていくのを感じる。
でも、心の中にはちょっとした不安もある。
「こんなに近くなるのが怖いわけじゃないけど、ちゃんと先輩にとって特別な存在になれてるのかな」
陽翔はそんな思いを抱えながら、真白の寝顔を見つめていた。
その時、真白がゆっくりと目を開け、陽翔を見つけた。
「お前、また俺のこと見てたのか?」
陽翔は恥ずかしそうに顔を赤らめ、少し慌てて答えた。
「ごめん、なんか…先輩の寝顔が、安心して…」
真白はその言葉を聞いて、ふっと笑い、陽翔の髪を優しく撫でた。
「お前、ほんとに可愛いな」
その一言に、陽翔は胸がドキドキして、真白の手に顔を埋めるようにして抱きついた。
「先輩、ほんとに好きだよ」
真白は少し驚いたように目を見開いたが、すぐに微笑んで答えた。
「俺もお前が好きだよ、陽翔」
その言葉を聞いた瞬間、陽翔は心が温かくなるのを感じ、自然と微笑んだ。
⸻
昼間、ふたりは散歩に出かけることにした。
陽翔は真白と並んで歩くことが心地よくて、何気ない日常がどんどん幸せに感じるようになった。
「先輩、あそこのカフェに行こうか?」
「お前、カフェ好きだな。でも、いいよ。行きたいなら付き合うよ」
陽翔は嬉しそうに笑って、真白と手をつなぎながらカフェに向かった。
店内は落ち着いた雰囲気で、ふたりは静かにコーヒーを飲みながら過ごした。
その時、陽翔はふと真白を見つめた。
「先輩、最近、僕のことどう思ってる?」
真白はその質問に少し驚いたようだったが、すぐに穏やかに答えた。
「どうって、俺はお前が思ってる以上にお前のこと大事に思ってるよ。お前が俺にとってどれだけ特別な存在か、わかってる?」
陽翔はその言葉に胸がいっぱいになり、少しだけ目をうるませて答えた。
「先輩…僕も、先輩がどれだけ大切な存在か、ちゃんとわかってる。だからこそ、もっと一緒にいたいって思うんだ」
その言葉に、真白は黙って陽翔を見つめ、静かに言った。
「お前がそう思ってくれるなら、俺も嬉しいよ」
陽翔は真白の手を握りしめ、その手の温もりを感じながら、幸せを噛みしめた。
⸻
帰宅後、ふたりはリビングで映画を観ることにした。
陽翔は真白と並んで座り、時折手をつないだり、肩を寄せたりしていると、どこか安心感を感じていた。
映画が終わると、ふたりはソファに寄りかかりながら、しばらく静かな時間を過ごした。
「先輩、今日は楽しかったね」
「うん、お前と一緒だと、何でも楽しく感じるよ」
その言葉に、陽翔は少し照れくさそうに笑って、真白の肩に頭を寄せた。
「先輩、もし僕が不安になった時、頼ってもいい?」
真白はその言葉に驚くことなく、ゆっくりと陽翔の髪を撫でながら答えた。
「もちろんだよ。お前が不安になるなら、俺が支えるから」
その優しい言葉に、陽翔は安心して目を閉じ、真白の肩で深呼吸をした。
「ありがとう、先輩」
⸻
夜、ふたりはベッドに入って静かに眠ろうとしていた。
陽翔は少し考え込んでいたが、真白が何も言わずにただそっと手を握ってくれたことが、安心感を与えてくれる。
「先輩、ずっと一緒にいてくれる?」
真白は少しだけ間を置いてから、陽翔に向かって答えた。
「もちろん。お前と一緒にいることが、俺の幸せだからな」
その言葉に、陽翔は静かに目を閉じて、真白の腕の中で深い眠りに落ちていった。
お互いの気持ちが、ますます確かなものになり、ふたりは一歩ずつ歩んでいく未来を信じることができた。