第2話「赤くて大きいドラゴン」
ふかふかの気持ちいい布団で寝たら、あっという間に朝になった。鳥の鳴く声が聞こえる。恐る恐る僕のスペースから出てみると、赤い狼のようなドラゴンがご飯を食べていた。
「?」
赤いドラゴンは僕を見てあたりをきょろきょろしだした。困惑しているのか…?
「これ…食う?」
そっと、肉を渡された。思ったより豪華なご飯で、僕は貰った分をすぐに平らげた。
「小さいけど、たくさん食べるんだな」
赤いドラゴンはキラキラ光るりんごを一つ、僕の前に置いて言った。
「これ、食べろ。飼い主がくれた。お前にやる」
僕がキラキラ光るりんごを手に取ると、赤いドラゴンは去っていった…
「おはよう、昨日は眠れた?」
飼い主の声。意思疎通の訓練なんて全然やらせて貰えなかったからわからないけど、とりあえず羽根をぱたぱたさせてみた。
「元気だね、あれ?この金りんご…」
さっき赤いドラゴンがくれた金りんご。何かあったのだろうか?
「しー、相変わらずだね。遠慮なく食べていいよ!しーは静かで人見知りだけど、優しいところも沢山あるの。この金りんごは昨日お買い物について行ってくれたお礼だったんだけど…いつも他の子にあげちゃうから、」
そうだったのか、見た目は強くて怖そうなのに…
「しーとは仲良くできそうだね、よかった。私今からクエストをやりにいかないとだから、しーとお留守番してて!わからないことがあったらしーに聞くと良いよ」
頷くと、飼い主は出ていった。
端っこで座っている赤いドラゴンに近づいた。
「なんだ」
目を合わせることはできないが、僕がいることはわかっているようだ。
「お前、話さないのか…?でも…話さない方が接しやすいか」
赤いドラゴンは立ち上がり言った。
「ついてこい」
赤いドラゴンについていくと、大きな山のてっぺんに来た。
「日課。」
赤いドラゴンは遠吠えをした。どうやら日課を教えてくれるらしい。
「わぉーん」
真似してみると、赤いドラゴンは目を丸くした。
「お前、遠吠え、できるのか」
「まね、してみた!」
あれ、どうやらドラゴン同士の会話はできるようだ。人間との意思疎通が難しいだけみたい。
「!」
赤いドラゴンは照れくさそうに言った。
「まね、ありがとう…」
「えへへ」
「しー!金りんごありがと!」
「べ、別に…お前だけじゃないからなっ!///」
赤いドラゴンは顔を赤くして走り去った。
「あ!まってー!」
「こなくていいっ!///」
その後6時間追いかけたが、僕は足が遅い。どうやっても追いつかなかった。
「ただいまー」
飼い主!
「あれ?しーが他の子と遊ぶなんて…」
むすっとした顔で端っこに座っているしーは少し嬉しそうだった。
コメント
4件
凄すぎるwトウトイ((((
え?早くね?