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白雪のキスをかけた手押し相撲大会が始まった。
帝都軍と美智軍の勝ち上がった者たちがトーナメント形式で戦う。
場は緊張と期待に包まれ、観衆の視線が集まる。
翔太はあきれた様子で言った。「タケルは最初からこれが狙いだったんだな。」
「そういうことだったの?だから白雪司令官にあんなに反発していたのね。」メイが驚いた表情を浮かべる。
タケルは自信満々に言った。「これは真剣勝負だ。帝都軍の代表は俺が勝ち取るぜ。」彼の言葉に、
場の雰囲気は一層盛り上がった。試合が始まり、タケルは順調に勝ち進んでいく。
翔太は感心しながら、「タケル強いな。本当に勝ち進むかもな」とメイに目を向けた。
しかし、メイの目は真剣そのものだった。
「もう、あんなやり方じゃ、相手に読まれる!」と興奮気味に声を出した。
「メイ?」翔太が尋ねると、メイは慌ててごまかした。「あ、あはは、つい、面白くて。」
だが、メイの目の奥には真剣な光が宿っていた。
実は彼女は小学校の頃、
ちびっこ手押し相撲の地区大会チャンピオンであり、全国でも毎年3位以内に入る成績を収めていた。
これが彼女の唯一の自慢だった。
タケルが次々と対戦相手を倒していく中、勝負は白熱を増していく。
メイの体はうずうずと動き、目がギンギンになっていった。
「おい、メイ、まさか出るとか言わないよな?」翔太の声は、興奮するメイには届かなかった。
「次!誰でもいいからかかってこい!」とタケルが叫ぶと、メイが前に進み出た。
「次はボクだ」そこには真剣な眼差しを持つメイが立っていた。
周囲の空気が一瞬静まり、彼女の決意が場を支配する。手押し相撲の挑戦者として、
メイはタケルに立ち向かう覚悟を決めていた。
手押し相撲。それは一見地味な戦いに見えるが、その裏には深い戦略的思考が隠されている。
相手の動きを読み取り、精神的な強さや冷静さが試される場面でもあり、
プレッシャーに耐える力が求められる競技だ。
そんな中、タケルとメイの試合が始まった。全国3位以内に入る実力を持つメイは、
冷静な表情を崩さない。タケルは少し驚いたように言った。「メイ、やるな。」
「手押し相撲だけは負けられないわ。」メイの言葉には、強い決意が込められていた。
タケルはその気迫に押され、焦りを感じる。「メイ、お前が勝ってどうするんだよ!」しかし、
メイにはその声が届いていなかった。
一方、翔太は心の中で思い悩んでいた。
(本当に勝ったらどうなる?メイが白雪司令官とキスする?)その想像に動揺を隠せずにいた。
そのころ、食堂を通りかかった蓮は、中の様子が騒がしいのに気づいた。
隊員たちが楽しそうにしているのを見て、「つかの間の休息だ、楽しめよ」と言って
通り過ぎようとした瞬間、隊員の声が響いた。「いけー霜月!!キスを勝ち取るんだ!!」
その言葉を聞いた蓮の足がピタリと止まる。
「何、キスだと?!」慌てて食堂に入り、
隊員に確認すると、「勝ち上がった1人が白雪司令官とキスできるんです」と説明された。蓮は驚愕した。
タケルとメイの白熱した試合を目の前にし、心の中で焦りが広がる。
(メイ、やめろ……。お前は知らないんだ、白雪がどんな女なのか。
あいつは性魔獣と呼ばれる存在だ。そんな奴にメイがキスされたら、その後何が起こるかわからんぞ!)
蓮はメイに対して「負けろ」という合図を送りながら、内心で懇願していた。
しかし、メイはそれを誤解し、心の中で思った。(隊長が見てる、きっと私に勝てと言っているんだ。)
蓮の真剣な表情が、メイには応援のように映った。
彼女は白雪とのキスのことよりも、自分が負けることがプライドを許さないと感じていた。
試合は白熱し、勝利への執念が二人の間に交錯していく。どちらが勝つのか、
運命の行方はこの瞬間にかかっていた。
メイにはどうしても負けられない理由があった。小学校6年生の最後の夏、
全国大会の決勝戦。舞台には、女子のメイと男子の誠が立っていた。
「誠くん、いつも5位くらいなのに、ここまで勝ち上がるなんて、相当練習したのね。
でも、私もこれが最後の夏、絶対に優勝するわ。」メイは心の中で決意を固めていた。
試合が始まると、誠はニヤリと笑い、隠された秘策を使うことにした。それは
思春期を迎える女子にしか通用しないいやらしい手段だった。
誠はメイの胸あたりに手を置き、小声で「メイ、おっぱいが大きくなったな」と囁いた。
メイは思わず「え?」と動揺し、信じられない気持ちになった。その瞬間、
誠はもみもみのジェスチャーをした。メイはバランスを崩し、思わず倒れてしまった。
あの時の屈辱は、今でも心に深く刻まれていた。
「負けない、今は男相手だ。あの時の屈辱を晴らす」メイは心の中で叫び、
タケルにプレッシャーをかけた。タケルが仕掛けてきた瞬間、メイは素早くかわし、
そのままタケルに向かって突進した。
タケルは驚き、のけぞる形でバランスを崩し、後ろに転んでしまった。
「この勝負、霜月の勝ち!!」メイは叫び、周囲は大盛り上がりを見せていた。
彼女の心には、あの時の悔しさが晴れた瞬間、勝利の喜びが溢れていた。
翔太は愕然とした。「メイ、そんなにキスしたかったのか?」
一方、蓮は白雪に抗議していた。「白雪司令官、俺の隊員は単に勝負をしたかっただけで、
あなたとのその……キスを望んでいるわけではありません。」
白雪は冷たく笑った。「何だと?そんな理由でこの熱気が収まると思うのか?」
蓮は言葉に詰まる。「そ、それは……」
「だいたい、私を持ち上げてきたのはお前の隊員だぞ。」白雪が言い放つと
蓮は驚愕した。「な、なんだと?」
そのやり取りの最中、後ろで歓声が上がった。白雪は振り返り、
「どうやら勝負がついたようだ」と言った。隊員たちの中を歩いていくと、
そこに立っていたのはメイだった。彼女は小学校の頃の屈辱を晴らしたと涙を流していた。
「メイ……バカ。」蓮は心配そうに呟いた。
白雪は微笑み、「帝都軍が勝つとはな、なかなかやるではないか」と称賛した。
メイは心の中で思った。(そっか、確かキスされるんだっけ。まあ、頬にキスするぐらいでしょ。)
しかし、白雪はその期待を裏切ることにした。
「お前の真剣な戦い、気に入ったぞ。今夜はキス以上のことも叶えてやる。」
メイは驚いて「え?」と声を上げた。その瞬間、白雪はメイの襟を掴み、
自分の顔に近づけ、そして、熱いキスを彼女にした
周囲の隊員たちは息を呑み、驚愕の声を上げる。メイの心は高鳴り、思わず目を大きく見開いた。
これが自分の望んでいた瞬間なのか、それとも思いもしなかった展開なのか。
彼女の思考は混乱し、ただその瞬間を受け入れるしかなかった。