テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
50
うえきばち
86
ここはある世界の物語。──が孤独な魔王になるきっかけの話。
『「ある街に1人の少年がいました。その少年の父は商売を営み、母は主婦をしていた。街の人々は優しい人でした。その街は賑やかで市場が朝から夕方まで人でいっぱいになるくらいでした。そしてその夜、魔物が街を襲い、街は無くなってしまいました。少年の親は亡くなり、少年もまた片目に重症を負いました。復習心を持った少年はその復習心から魔族になり、魔物を狩っていき、そして魔王の座を手にしました。ですが、最後には勇者によって死んでしまいました。」…』
パタン、と絵本を閉じた。
『おかーさん、この人はなんで魔王になったの?』
『お母さんにも分からないわ。ほら、もう夜遅いから寝てしまいなさい。』
『はーい』
少年はそのまま瞼を下げて、眠りについた。
少年が起きたのは人々の叫び声と炎による暑さからの目覚めだった。ドアを勢いよく開ける。そこには
『…おかーさん』
──そこにはもう腕と足が片方づつに成り果てた姿の母だった。掠れ果てた声で
『…に、げ……』
途絶えた。
この世界にとってはたった1つの生命が終わっただけ。少年にとっては幸せの終わりが告げられたものだった。
目の前には魔物、口からは母の血と思われるものを垂らしている。殴りかかった、敵うはずもなく。少年は片目を失い、気絶した。
この後はどうなったのでしょうか。
そのまま死んでしまったのか。はたまた、片目を失ったまま世界を歩んで行くのか。
それとも、今あなたが想像した最期なのか。
コメント
1件
うわ、これ最初から重い…! 絵本で読んだおとぎ話がそのまま目の前で起きちゃうの、胸が痛いわ。母が「にげ…」って言い残すところとか、片目失う描写、一気に引き込まれた。続きがすごく気になる—この少年がどうやって魔王になるのか、見届けたくなった。作者さん、この重厚な始まり方、めっちゃ好みだわ🔥