テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ある日の夜ーー
村は静まり返っていた。
向井は一人、森へ向かっていた。
真相を確かめるため。
🧡「……」
胸が苦しい。
占いの結果が、頭から離れない。
それでも。
足は止まらなかった。
森の奥。
そこにいたのは――
🖤「向井?」
目黒が立っていた。
🧡「……」
🖤「こんな夜に一人で…」
🖤「危ないだろ」
いつもの優しい声。
でも
向井は震える声で言う。
🧡「……目黒」
🧡「聞きたいことがある」
🖤「なに?」
向井は拳を握る。
🧡「俺……占った」
空気が変わる。
声が震える。
🧡「人狼なの?」
沈黙。
そして――
目黒は、ふっと笑った。
その笑いは
昼間とは全く違う。
🖤「……やっぱ占い師か」
🧡「……!」
🧡「ねぇ…嘘だよね…?」
🖤「嘘じゃない」
目黒は一歩近づく。
🖤「俺は人狼だよ」
🧡「……」
🧡「なんで」
🖤「なんでって?」
🖤「そういう存在だから」
向井の目に涙が溢れる。
🧡「俺」
🧡「信じてたのに」
🧡「目黒のこと……」
🖤「……」
目黒は黙る。
🧡「優しくしてくれて」
🧡「いつも隣にいてくれて」
🧡「全部……嘘だったの?」
涙がぽろぽろ落ちる。
🧡「俺」
🧡「目黒のこと…」
向井のその姿に、
目黒の目が揺れた。
だが、
すぐに笑う。
🖤「占い師のくせに」
🖤「ずいぶん無防備だな」
向井の腕を掴む。
ぐっと引き寄せる。
🧡「っ……!」
距離が近い。
息が触れそうなくらい。
🖤「俺が本気出したら」
🖤「今ここで」
🖤「お前、死ぬよ?」
低い声、
完全に、捕食者の目。
🧡「……」
向井は涙を流しながらも、目をそらさない。
🧡「俺は逃げない」
🖤「……」
🧡「最後に言わせて」
向井の声が震える。
🧡「俺は」
🧡「目黒が好き…」
涙が頬を伝う。
森に風が吹く。
目黒の手は、まだ向井の腕を掴んでいる。
いつでも襲える。
牙を立てれば終わり。
でも――
🖤「……」
目黒は動かない。
🧡「…もう」
🧡「いっそ…」
🧡「楽にしてよ」
その時。
目黒の手が、わずかに震えた。
🖤「……うるさい」
低く呟く。
🧡「……」
🖤「そんな顔すんな」
向井は涙を流しながら笑う。
🧡「目黒は」
🧡「やっぱ優しいんだな…」
🖤「……」
目黒は顔を背ける。
🖤「早く村に戻れ」
🧡「目黒……」
🖤「行け」
その声は、少しだけ苦しそうだった。
向井はゆっくり森を出ていく。
人狼のはずなのに。
牙を立てられなかった。
つづく。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!