『四角関係なんて好きじゃない』〜この気持ちに嘘はつけない〜
第15頁 俺と一緒にいて下さい。
日曜日。3人とのデート最終日。
9時から14時の間はロノとのデートだ。
今日は展望台にある美味しいレストランをロノが予約してくれたので景色見ながら食べることに。
『はぁ、はぁ…っ。ごめんね、ロノお待たせ。』
『全然待ってな――』
『支度に手間取っちゃって…。』
花澄さんはいつもとは違う雰囲気で髪をおろし、綺麗に編み込まれていた。服は夏を思わせる涼し気な格好で露出が多いのか目が反らせなかった。
(可愛い……。)
『ロノ?』
『あ、いえ!行きましょうか!』
俺は花澄さんに手を差し出す。
『今日で最後ですから、特別に…。』
『うん、もちろんいいよ。』
ぎゅっと手を握る。
そして、その2人を尾行する影が――。
『流石俺のコーディネートっす。ロノのハートを釘付けっす。』
『流石ローズ君だね!』
『それにしてもこんな大人数で尾行なんて…バレないといいんですけどね。』
『ロノさんが心配できたのはいいものの…バレたら終わりですからね。』
『まぁまぁ。そん時はそん時で今はこのギリギリの状況を楽しもーぜ。』
『ハナマルさん楽しそうですね。』
『ロノ君も大胆ですね…。フフ、応援したくなりますね。』
『あ、そろそろ行かないと見失うっす!』
『う、うん!急げ!』
展望台の上にあるレストラン
『𝐒𝐊𝐘 𝑮𝒓𝒂𝒏𝒅𝒆』
『新しくできたばかりで予約も困難なんですよねここ。でも頑張って取れました!』
『ありがとう、ロノ。』
『へぇ〜中々オシャレなお店だな。』
『ご飯くん奮発したねぇ。』
『ロノと花澄さん楽しそうっすね。』
『えぇ。幸せそうです。』
『ん、これすごく美味い!花澄さん、食べてみてください!』
『もぐっ。』
『あ…っ。』
俺は無意識に自分のフォークを花澄さんの口に運ぶ。
『っ……美味しい。』
『そ、そうですか…良かったです。』
『なんか見てるこっちが恥ずかしいな…。』
『ロノ君顔真っ赤だよ…。』
『ご馳走様でした。』
『美味しかったぁ。』
『花澄さん、ここアクセサリーショップもあるんです。見ていきませんか?』
『アクセサリー?』
『はい、ここなんですけど…。』
『へぇ、リサーチ済みなんてロノもやるっすね。』
『花澄さんの好きそうなところは全て把握してるようですね。』
『教えたのユーハンだろ?』
『はい。ロノさんのことを応援したいですからね。』
『ん……あ。これ可愛いかも。』
それは緑と黄色のネックレスだった。
『ねぇ、ロノ。お揃いでつけない?』
『え?いいんですか?』
『うん。この色…ロノの髪色にそっくりだから。』
『っ…!』
『花澄さん無自覚なのかな…』
『だとしたらタチが悪いよ…。』
『あれはロノにダイレクトに刺さるね。』
『つ、つけます!俺、買ってきます!』
俺はダッシュでレジに向かう。
『余程気に行ったのかな。』
展望台のお店から抜けて次は季節の花が咲くガーデンテラスへ向かった。
『甘い香り…。』
『花澄さん花が好きだからここにしました。どうですか?』
『うん、凄く綺麗。生け花にしたらもっと綺麗だろうな…。』
『…確かに綺麗です。』
『でしょ?』
俺は花澄さんの横顔を眺める。
『綺麗なのは…花澄さんです。』
『え…。』
ロノは私に近付く。
『…!』
カチッ。
首元にさっきのネックレスが光る。
『俺からの贈り物です。俺…本気で花澄さんのこと好きなんです。だからこれからも…俺と一緒にいてください。』
『ロノ……。』
『きゃー!もうあれ告白だよね!?』
『ちょ、ラムリ静かにするっす!』
と、その時――。
『失礼します。ロノ君。』
聞き覚えのある声がした。
ベリアンが現れ、私の手を取る。
『ここからは私と花澄さんの時間です。』
『べ、ベリアンさん……。』
『行きましょう。花澄さん。』
ベリアンは私の手を取り、歩き出した。
『さりげなく手を繋いだっす。流石ベリアンさんっすね。』
『ふふっ。みんなロノ君の事尾行してたんだ?』
『る、ルカス様!』
『ミヤジ先生にベレンさんまで…。』
『俺もベリアンが気になるから尾行しようと思ってね。』
『ふふっ。ベリアンも流石だね。返事を言う前に攫うなんて。これからどうなるかな……』
次回
第16頁 貴方と居たいんです。
コメント
2件
最初の尾行してたのはアモン、ラムリ、ハナマル、ユーハンかな? 主ちゃんが無自覚でやっているなら主ちゃんがモテてるのも納得だわ。 ベリアンは尾行されてることに途中から気づきそう!