テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
注意
精神的にグロい描写あり
苦手な方は見ない方が良いです
──────メテヲさん視点──────
「改心って…何それ。メテヲ、悪い子じゃないけどなー?」
「上司に牙を向いたやつが悪い子じゃない、とお前は言うのか。ふはっ。お前の正義の基準が気になるな。」
そんな皮肉を返され、メテヲは黙り込む。この皮肉を上手く言い返す言葉が思い浮かばない。普段ならスラスラと考えなくても出てくるのに、今日は何か、喉に突っかかったかのように話すことができなかった。おそらく、メテヲの思考回路が変化し始めてる。今、メテヲは何をされているのだろうか?なんの影響を受けているのか。
「…卑怯だな、お前。お前なら、メテヲ1人くらいねじ伏せて殺せる癖に。こうやって、じわじわ拷問して殺すつもり?」
メテヲが現状に対して不満を吐く。わざわざこんなに厳重に捕まえて、じわじわと殺される。明らかに不必要な行為で、こいつの自己満に過ぎない行為に付き合わされるのはごめんだった。だからといって死にたい訳でもない。ただ、屈辱的に死ぬくらいなら、潔く死にたくもある。そんな葛藤を見抜かれたのか、そいつはニタニタと笑いながらメテヲを見下ろす。
「『敗者は死に方も選べない』…。言い得て妙な言葉だと思わないか?たった100年しか生きることができぬ人間が言った言葉だ。」
「…あっそ。やっぱりメテヲ死ぬんだ〜。メテヲ、とっても役に立つと思うけどなぁ?」
そんな軽口を叩き続けるが、内心希望は途絶えていた。メテヲと、最高神。この間の戦力の差は絶望的なほど開いており、なおかつ今、メテヲの思考は上手くまとまらず、体は拘束済み。もはや、メテヲの命は相手のおもちゃも同然。ただ、諦めて死という解放まで耐え続けるしかないのだ。
「…聡明なお前なら気づくと思ったが。思いのほか魔術が効いているようだな。」
「…?何、生かしてくれるの?そんなのなんの意味が───」
そこまでペラペラと喋って気づく。当たっていたら、あまりにも恐ろしい。普通なら、ありえない。けど、この神ならばやりそうなこと。死よりも恐ろしい、その事実を。
サーッと血の気が引いていく。希望の灯火が消えると同時に、絶望の底が抜け、さらに下に落ちていく感覚。
その反応を見て、最高神は楽しげに笑いながらメテヲの思考を読み取ったかのように、そして肯定してくる。
「その通りだ。メテヲ。私は、お前を【再利用】する。私の道具として。」
「ぁ、ああッ!おまっ、お前ッ!自分で何をッ!何を言ってるかわかってんの!?!?その行為は他者の尊厳を踏みにじる行為だ…!!」
メテヲが必死に叫び、その行為を糾弾しても、最高神は薄気味悪い笑みを浮かべるだけだった。そして、メテヲに指を向ける。その指には、魔力を凝縮して作られた魔法陣が展開され、毒々しい闇が、メテヲの足を這い、体に絡みつき、メテヲの体内に侵入し、脳を、思考を、体を破壊していく。そして、なにかの音が聞こえ、メテヲから何かが欠けた。
「───ッはっ、かひゅ…、っはっ…、!」
本来備わっていない体内の活動が行われ、肌から水が流れ出る。いわゆる、汗、というものだ。脳が、闇属性で貫通されたのかと錯覚するほど痺れ、鈍痛がドン、ドン、ドンと響く。心臓が熱い。信じられないほど早く脈動する心臓を必死に抑えるために呼吸をする。しかし、吸って、吐いての活動が上手くできない。自分の意思で体を動かせない。半分パニックになりながら、心臓の音が急かすように魔力を求める。
「やはり、効くのか。所詮はイヴィジェル。神の権能の前では───。って、聞こえていないか。」
「う゛ぇ…っぁ゛あ、ッ!ひゅっ…、!」
もはや、まともに喋ることしか出来ず、苦痛が収まることもなく、ただ必死になることしか出来なかった。聴覚も、視覚も、触覚もまともに機能せず何も出来ない自身の肉体を恨む。呪う。けど、それは何の解決にもならず、ただ、痛みに悶えることしかできなかった。
「さて、あと99回。1年ずつ、お前の記憶を消していく。お前の精神、記憶、人格を破壊してから、私に忠実な下僕を作る。…殺しはしない。お前なら直接天界にも下界にも融通が効くからな。感謝しろ。生かしてやることに。」
「ぁ、あ゛あ゛ああぁぁあ───…ッ!!!」
──────残り:99回
──────ロスト視点──────
「ぅ、ああぇ?」
目の前の十字架にかけられた天使は虚空を見つめ、意味の無い言葉をつぶやく。
目の前にいるのは、この前100歳を迎え、成人した【メテヲ】という、イヴィジェル家の現当主た。父親をも殺してまで上り詰めたその地位。その地位が今後、己自身のために使えることはなくなる。全て、私の思うがままに使われるのだ。
私は、これにとある魔術をかけた。それは、1年間の記憶を消す魔法。それを、100回行った。今100歳のメテヲから100年分の記憶を引けば、それは何も覚えていない、空っぽの容器となる。その空っぽの容器を私好みで埋めて、従順で、強い武器を作るのが私の目標だ。
なぜ、私がここまで回りくどい方法を取ったか。それはひとえに初代最高神に妨害されたから、としか言えない。そもそも、これが神に刃向かえるほどの力を持っているのは初代最高神が私を殺すために用意した使者だからに他ならない。そして、こいつは数日前にその最高神に会い、契約を結んでしまった。…動くなら今しかなかったのだ。だからわざわざぐさおのミラーに協力させ、ここまで呼び出し、記憶を消したのだ。神が自ら手を下すなんて面倒以外の何物でもない。しかし、そこまでやってでもこのコマは手に入れておきたかった。…他に何人の使者がいると思っているんだ。数は減らせるだけ減らすし、こちら側にできるならこちら側にしてやる。私は、こんな歪みきり、改善しようのない世界を壊し、完璧になるのだから───。
ここで切ります!皆様、お久しぶりです!めっちゃ久々に小説を書いた気がします…。最近は非常に忙しくてですね。体育祭に中間テスト…。なんか行事が積み重ねで起きまして。なのでしばらく投稿を休ませてもらってました。今日からはなるべく土日投稿を心がけていきます!ほんと、うちの高校が自称進で小テストが多いもんで…。時間が、時間が足りない!!
それでは!おつはる〜!
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観測者l!!@活動一周年☆
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コメント
1件
うわ、めちゃくちゃ重い回だった…。メテヲの精神をじわじわ削って“空っぽの容器”にするところが、ただ♡♡♡より何倍も残酷でゾッとしたよ。最高神の「♡♡♡ない・再利用する」って発想、神としての歪んだ正義感が滲んでて嫌な感じに上手い。ラストの「残り99回」のカウントが、これからの絶望を暗示してて胸が締め付けられる…。でも、久々の更新嬉しい!おつはる〜!無理せず頑張ってね。