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コメント
22件
自分は作品描くのが苦手だからこういう 作品を見るとすごいなって思います!頑張ってください!
語彙力あるね!羨ましい,,,,!
ASOUすご…♡
ゴンドラの扉が、プシューと低い排気音を立てて静かに開いた。
ゆっくりと足元へ視線を落としながら、その「青いゴンドラ」からホームへと踏み出してきたのは、濃紺のトレンチコートをまとった一人の女性だった。
彼女の髪は夜空のような深い黒色で、耳元できれいに切り揃えられている。
その腕には、信じられないほど分厚い、古びた本が抱えられていた。
背表紙には複雑な金の彫金が施され、角は使い込まれて丸みを帯びている。
それはまるで、あらゆる人間の記憶や未練を力ずくで綴じ込め、二度とバラバラにならないようあつらえられた、重厚な革装丁のアルバムのようだった。
「初めまして、執筆者くん」
彼女は、雪の結晶のように透き通った冷ややかさと、どこか旧友を労うような温かさを孕んだ声で、僕に微笑みかけた。
「私は『装丁家』この世界に十二人いる『編集者』のうちの一人。バラバラに散らばり、破れかけてしまった人々の記憶に美しい『表紙』を与え、世界の書棚へと静かに片付けるのが私の役割よ」
「……黄泉國さんのことを、知っているんですね」
僕の問いに、彼女はゆっくりと頷き、ビルの屋上フェンス際へと歩み寄った。
彼女が手すりに手をかけると、吹き抜ける北風に紺色のコートの裾がひらりと舞う。
そこからは、明け方の薄青い光に包まれながら、少しずつ目を覚ましていく札幌の街並みが一等冷たく、美しく一望できた。
「ええ、尊のことはよく知っているわ。あの男はね、私たち十二人の中でもとりわけ不器用で、そしてどうしようもないお人好しだった。他人の歪んだ原稿を校正するたびに、その紙片から滲み出るドロドロとしたインクの汚れを、すべて自分の身体に吸い込んでしまうのだから。君がいつも見ていたあの呆れるような『ボケ』はね、そうして脳内に溜まった汚れたインクを外へ吐き出すための、彼なりの防毒マスクだったのよ」
彼女は抱えていた重い本を座卓に置くようにそっと腕の中で支え、一枚の古ぼけた栞を本の隙間から引き抜いて僕に見せた。
そこには、擦れた金色の文字で『第一章:黄泉の国にて』と刻まれている。
「尊はね、自分の初稿――自分がなぜ『編集者』として書き起こされたのか、その最初の一行をずっと探していたわ。そして、その手がかりを私たち残りの十一人の本の中に、少しずつ栞のように残していった。いつか、自分を本当の意味で『完結』させてくれる誰かが現れるのを信じてね」
「それじゃあ、あなたの本の中にも、黄泉國さんの手がかりが?」
「ふふ、どうかしら」
装丁家は悪戯っぽく、しかしどこか試すような鋭い光を瞳に宿して微笑み、指先で本の革表紙をトントンと叩いた。
「私の本を紐解くには、それなりの覚悟が必要よ。私の担当するこの『極夜の街』には、美しく装丁され、閉じ込められたまま二度と開いてはならない『哀しい未練』がいくつも眠っているのだから。不用意に開けば、あなた自身の現実の形まで歪んでしまうかもしれないわ」
彼女は一歩、僕に向かって踏み込み、その深い漆黒の瞳で僕の心の奥底を覗き込んできた。
「あなたが本当に尊の物語を完結させる『執筆者』なのか、それともただ彼を追って迷い込んだだけの迷子なのか……ここで試させてもらうわよ、助手くん」
手の中のルービックキューブが、彼女の言葉に共鳴するように、再び意思を持ってカチリと小さく振動した。
あの人が遺した謎を、今度は僕がこの手で書き記し、終わらせる。
その覚悟を決めた僕の前に、二番目の編集者が、静かにその分厚い本を開こうとしていた。
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なんかさできてるかがわかんなくなってきた
誤字は報告!
さよなら
ぬいぬい
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