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重戦士「なんか……モンスター少なくないですか?」
騎士「確かに……何かあったのかな?」
重戦士や騎士の言う通り、ほとんどモンスターが現れない。しかもその少ないモンスター達はすべて荒れ狂う狂戦士によって葬られて行くので、他の3人はする事が無いのだ。
騎士「まあ、それならそれで早く帰っちゃおうか。」
騎士がそう口にした瞬間。騎士の頬を緑のエネルギー弾が掠めた。
騎士「(さすがにそうは行かないか……)狂戦士ちゃん!そっち大丈夫!?」
狂戦士「あたしは平気!」
奥から現れたのは、やはりジャンプだった。
ジャンプ「まーた雑魚かよ。でも、今度はちょっと楽しそう。ワクワクすっぞ!」
騎士「『聖剣の誓い』!」
騎士が唱えると、全員の剣が光り出す。
狂戦士「サンキュー騎士!いっくぜー!」
ジャンプはまず狂戦士に飛びかかる。狂戦士はそれを大剣を振り抜いて弾こうとするが、なんと大剣の方が曲がってしまった。
狂戦士「嘘だろ!?どんな体してんだよ!?」
その隙を突かれ、ジャンプのパンチで遠く吹き飛ばされてしまった。
狂戦士「がはっ……!」
遥か遠くで倒れた狂戦士を見届けているジャンプの後ろ、剣士と重戦士が燃える剣を手に近付く。
剣士「『インパクトエッジ』!」
重戦士「『ヘビースラッシュ』!」
ジャンプは二人の着地の位置からジャンプで遠退くと、エネルギー弾で二人とも倒してしまった。
すると、ジャンプの背に何かが刺さった。
ジャンプ「……!!」
それはなんと先ほど曲げられたはずの狂戦士の大剣の、先の部分だった。
狂戦士「そこで見てな!『ヘビースラッシュ』!」
ジャンプ「ぐっ……!」
先が折れて半分位の長さになった大剣を振るう狂戦士。それでも変わらぬ威力だ。動きを封じられたジャンプに、もう一つの燃える剣が近づく。騎士だ。
騎士「『絶炎衝』!」
美しい曲線を描き、騎士の剣が振り抜かれた。
剣士「かぁっこいいー!」
目を輝かせ、剣士が騎士に言い寄る。
剣士「あの剣の先投げたのも騎士さんですよね?」
騎士「うん……まあね」
狂戦士「全くとんでもねぇこと考えるぜ……誰に似たんだろうなー」
「あはは……本当はみんなのパワーアップだけで大丈夫かと思ったんだけどなぁ……あれも久しぶりに使ったから魔力もだいぶ使っちゃった」
剣士「そうだ!今度やり方教えてくださいよ!」
騎士「僕で良ければ何でも教えるよ」
剣士「やったぁ!ありがとうございます!」
重戦士「っていうか狂戦士さんその剣……」
重戦士が狂戦士の折れた大剣を見上げる。
狂戦士「ああ、ぶっ叩いて逆方向に曲げたら使えるかと思ったんだけど折れちまったよ」
重戦士「(ここにもゴリラいた……)」
狂戦士「それより!なんだよあのへなちょこは!すぐ立たねぇと背中がら空きだろ?まだまだその大剣扱いきれてねぇんじゃねぇのか!?これじゃ訓練のやり直しだな」
重戦士「……そうですね。また、お願いします。」
騎士「ほら狂戦士ちゃん、早く剣直して貰おう?」
狂戦士「ああ!早く帰るぜ!」
剣士「あっ!待って下さい!これ、持って帰らないと」
剣士がダンジョン奥のアイテムを持ってやってくる。
騎士「あっそうだった!」
重戦士「ありがとう、剣士」
4人が帰っても、剣豪はまだ戻っていなかった。
狂戦士「これ、直してくれるか?折れちまったんだ」
鍛冶屋「これ折れたんですか!?」
狂戦士と騎士で鍛冶屋の店に行き、折れた大剣を差し出した。
鍛冶屋「……まあまあ分かりました。少々お待ちください。」
鍛冶屋が奥に引っ込むと、入れ替わるようにして鉱夫もやって来た。
騎士「鉱夫君!珍しいね」
鉱夫「ちょうど仕事が一段落したんすよ。あ、ダンジョンお疲れ様です。また良ければダンジョンお教えしますよ。」
狂戦士「助かるぜ!プラチナ大空洞はぶち開けて来たから、安心しな。」
鉱夫「……プラチナ大空洞?……もう鉱山帯全部じゃないですか。今回プラチナ大空洞教えようと思っていたのに。でも、あそこは二度と掘りに行っちゃダメってお触れが出たんです。」
鉱夫が少し残念そうな顔で言う。
狂戦士「ん?何でだ?」
鉱夫「実はあそこがダンジョン化したのってだいぶ昔なんです。どこまで進んでも終わりがないなんて噂なんですよ。奥に行った連中が二度と戻って来なくなった、とか。奥に行くなっていう命令も出たんですけどそれでも破る奴がいたんで。」
狂戦士「へー……」
鉱夫「そうだ、全然話変わりますけど剣豪さん帰ってきました?」
狂戦士「いや。見てねぇな」
鉱夫「そうですか……昨日「しばらく帰らない」って言って注文してた剣を持って行って以来来てないらしいんですよ。」
騎士「……あの人のことだから多分大丈夫だけど……心配だなぁ……」
狂戦士「何言ってんだよ騎士。師匠ならすぐ戻って来るだろ。気長に待ってな。」
鍛冶屋「お待たせしました!よいしょ……っと。綺麗に直りましたよ」
そこに、大剣を引きずって鍛冶屋がやってくる。
狂戦士「おう!サンキューな!」
その頃、母屋では重戦士と剣士がダンジョンで手に入れたアイテムを広げていた。
剣士「……ん?何?これ」
剣士が取り出したのは紙切れだった。「最奥で待っている」と書かれている。
重戦士「……私が知ってる筆跡じゃない……な」
すると、その紙切れが、ふいに持ち上がった。2人が振り向くと、雷神が紙切れを見ていた。
雷神「……これ、借りても良い?」
重戦士「……?どうぞ」
雷神「……私達でもう1回行ってみることにするよ。プラチナ鉱山。」