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翌日。
病室の前で、
こさめは足を止めていた。
中から、
医者たちの低い声が聞こえる。
「……正直、かなり厳しいです」
心臓がどくりと跳ねた。
「今の状態だと、いつ急変してもおかしくありません」
息が止まる。
扉の隙間から見えるのは、
深刻そうな顔の医者と、
ベッドで静かに話を聞くすち。
こさめは動けなかった。
「薬も限界です」
「これ以上は、本人の体力次第になるかと……」
やめて。
聞きたくない。
なのに耳が勝手に拾ってしまう。
「ご家族には改めて説明を――」
🍵「……大丈夫です」
すちの声だった。
驚くくらい穏やかな声。
🍵「俺のことなんで」
その言葉に、
こさめの胸がぎゅっと痛む。
なんで。
なんでそんなに、
一人で受け入れようとするの。
医者たちが部屋を出てくる気配がして、
こさめは慌てて物陰へ隠れた。
遠ざかる足音。
静かになる廊下。
こさめは俯いたまま、
ぎゅっと拳を握る。
厳しい。
限界。
急変。
頭の中で言葉がぐるぐる回る。
怖い。
怖い怖い怖い。
🍵「……こさめちゃん?」
不意に声がして、
はっと顔を上げる。
病室の扉から、
すちがこちらを見ていた。
少し困ったような顔。
🍵「そこいたんだ」
こさめは笑おうとした。
でも無理だった。
唇が震える。
目が熱い。
すちはその顔を見た瞬間、
全部察したみたいだった。
🍵「……聞こえちゃったかぁ」
優しく笑う。
その笑顔が、
今は苦しかった。
こさめはふらふら近づく。
🦈「……厳しいって、なに」
声が震える。
すちは少し黙って、
それから静かに答えた。
🍵「そのままの意味」
やめて。
そんな落ち着いて言わないで。
こさめの視界が滲む。
🦈「やだ……」
ぽろ、と涙が落ちる。
🦈「やだよ、そんなん……」
すちはゆっくり手を伸ばした。
こさめの頬へ触れる。
🍵「泣かないで」
🦈「無理……っ」
涙が止まらない。
だって。
終わりが近いみたいな言い方だった。
🍵「……俺はね」
すちは静かに笑った。
🍵「こさめちゃんと会えてよかったよ」
その瞬間。
こさめの中で、
何かがぶつりと切れそうになった。
ちなみに後7話で最終話です
そしてびっくりするのが、この話連載し始めてから一週間立ってない笑
一週間とプラス数日で物語終わらせちゃう笑