コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
潮風が息吹く闇の街、横浜。
繁華街では人の賑わいが絶え間無く聞こえていた。笑い声や楽しそうな雰囲気が辺りを覆う。
だがそんな空気とは裏腹に、薄暗い路地裏では”とある事”が行われていた。
其れは横浜の裏とも云える全容。
裏社会の秘密組織、ポートマフィアの計画に沿って行われたものだ。
2つの影が複数人の死体を眺める。
返り血で服を汚す少女と、其れを見つめる青年。
2人の表情は限りなく《無》であった。
光の欠片も無い瞳を、既に動かなくなった屍に向ける。
「…へぇ、前より少しは強く成ったんじゃないかい?これも中也の賜物かな。」
薄らと笑みを浮かべて青年はそう云った。
片目は包帯で巻かれており、焦げ茶の蓬髪から除く茶色の瞳が少女を捉えていた。
青年は黒い服に身を包み、密かに肩を竦める。
「そうだとしたら嬉しいね。
治兄なら私が殺せるかもね?」
含みの有る笑顔を青年に向けて少女は答える。
少女の白い手には短剣が握られており、刃の先は鮮血が滴っていた。
今直ぐにでも青年に其の刃を突き刺せば、青年は間違い無く死ぬだろう。
だがそんな状況を物怖じもせず、青年は少女に寄って云った。
「全く…誰がそんな風に教えたのかな。」
少女の頭を撫で、先程よりも笑みを柔らかくする。
暗かった雰囲気が少しだけ明るくなった。
すると微笑む青年に対し、少女も同じ様ににっこりと嬉しそうに笑った。
「へへっ、治兄に褒められると嬉しいな。」
「褒めた覚えは無いけどね?」
そんな会話を交わしながら、2人は暗い路地裏の奥へと歩いて行く。
ふと、生暖かい風が2人の頬を撫でた。
塵の様に積もった死体を背に、2人は闇へ消えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お久しぶりです!
暫く投稿出来てなくて、すみません!!
今回の文ストはBEASTの世界です!
後何個か投稿するつもりなので、是非見て下さい!