私の名前は、太宰 澪琉 (レイル)
今年で16歳になる、ポートマフィアの特殊幹部。
所謂、首脳の補佐官の様なものだ。
身の安全を確保したり、首脳宛ての書類整理をするのが私の仕事。
特にポートマフィアは敵が多く、其のトップである首脳の身は危険に晒され易い。
其の為、事前に敵を殲滅するか、部下を配置して危険を取り除くのだ。
然しながら、本来であれば私は人を護る事はしない主義の人間だ。
人間を殺し続けているのが、或る意味証拠でも有るのだが。
まあ何故かと云うと、簡単に云えば此の世界に何の意味も感じないからだ。
屑や莫迦しか居ない此の世界なんか、即刻に滅んでしまえば良いと思う。
無論、この私もだ。
こんな地獄の様な場所で息を吸うくらいであれば、私は迷わず死を選ぶだろう。
だけどこんな世界でも、例外が居た。
本当に死んで欲しくない、私が初めて心から護りたいって思った人。
私の兄…太宰 治、兼ポートマフィアの首脳だ。
一見、唯のブラコンなのかと思う人も居る筈。
だが私の気持ちはそんなものでは無い。
兄で在ろうと人間だし、嫌いなものは嫌いだ。
だけど、治兄だけは他の人間とは違う。
治兄は凄い人なんだ。
頭脳明晰で護身術も或る程度出来て、尚且つ治兄の観察眼は人並みを超えている。
小さい頃から私に護身術を学ばせてくれたし、敵と戦う術を呉れた。
勿論、其の訓練は決して優しいものでは無い。
苦しかったし、何より辛かった。
だけど其れを乗り越えられたからこそ、私は誰よりも強くなった。
五大幹部だって倒せるし、異能者相手であろうと単独で殺せる。
今の私が居るのも、確実に治兄が私を育てて呉れたからだ。
私の中で、治兄は一番尊敬する人物。
だからこそ私は治兄を護りたいし、其の大きな背中を追いたい。
何時も何かに没頭していて私を相手にしなくなったけれど。
其れでも私は、治兄を護るよ。
此の汚れた世界で、唯一つの光だから。
そして私の大好きな治兄に何時か認めて貰える様に、私は毎日頑張るんだ。
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ここまで読んでくれて有り難う!
矢っ張り、BEASTの世界は中々難しい…。