テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

【翌日】



くるみは洋平の手を握りしめ、ハワイ最大のショッピングモール・アラモアナセンターの入り口に立っていた




ハワイの陽光が降り注ぐ広大なオープンエアモールは、まるで日本と違ってパラレルワールドの様だった



「ねえ、見て!」



くるみは興奮して洋平の腕を引っ張った



「こんな大きなショッピングモール、日本じゃ見たことないわ」



確かに、アラモアナセンターの規模は圧巻だった



350以上の店舗が並ぶ2階建ての巨大な施設は、まるで小さなタウンほどある大きさで、その規模と多様性は、二人にとってまさに新世界への入口だった



「くるちゃんもう体調大丈夫?二日酔いになってない?」




くるみは夕べナイトクラブでお酒を飲み過ぎてひっくりかえってしまったことを思い出した



シュンとしてくるみが洋平に言う




「ごめんね・・・洋平君びっくりしたよね?私も初めてあんなにお酒を飲んでしまって洋平君に介抱させてしまって・・・本当に反省してる・・・」



「介抱なんかいくらでもするからいいんだよ、それに朝までよく眠ってたし疲れてたんだよ、でも急性アルコール中毒とかも怖いから、今日はお酒飲んじゃだめだよ!」



「はぁ~い・・・」




なんだか昨日はあの二人に良いムードを邪魔されて、ムシャクシャしちゃったんだよね・・・・




その結果洋平君に迷惑をかけちゃった・・・もうあの二人とは関わらない方がいいのかも



結局え・・・えっちも出来なかったし・・・




今日こそはハッピーハネムーンを仕切り直しよ!さぁ洋平君とショッピングを楽むぞ!




エイエイオー!(BGMドラクエ)



くるみは宙にむかってガッツポーズをした



二人は笑顔で手をつないだまま、ルンルン♪と歩き始めた



ショッピングモールの入り口をくぐると、そこは異国情緒溢れる空間だった



ココナッツオイル香る土産物ゾーンには、高級ブランドのブティックから地元ハワイの特産品を扱う店まで、無数の店舗が並んでいる




店舗のいたる所の壁には、ヤシの木やフラガールの絵が描かれ、天井からはハワイアンキルトが吊るされ、どこを向いてもトロピカルな装飾が施されていた



フロアには、伝統的なハワイアンミュージックが流れ、その旋律は訪れる人々を自然とリラックスさせるようだった




クスクス「くるちゃん、キョロキョロし過ぎ」



「だって!一度に色々見るのが忙しくて・・とても一日じゃ回りきれないね!」



「別に明日も来ていいよ」



「本当?!お母さん達のお土産も買わないと!」




くるみは周囲をずっと見回した、目が忙しい、ここには様々な人種の人々が行き交っている




金髪碧眼の観光客、褐色の肌をした現地の人々、そして自分達の様に日本人観光客の姿も、世界中から集まった観光客と、地元の人々で賑わっていた



観光客は、色とりどりのビーチウェアやアクセサリーを探し求め、試着室の前では、楽しげに笑い声が響く



そして褐色の肌の女性が、ハワイアンプリントの生地を自分の体にかざしている光景がそこかしこに見られた




「わぁ~!あの生地素敵!」


「いってみる?」


「うん!」




その店にはハワイアンキルトや手作りのウクレレ、カラフルなアロハシャツなど、ハワイらしい商品が所狭しと並んでいた




「洋平君!凄いアロハシャツの量!」



「へぇ~!僕も本物のアロハ欲しいなぁ」


「これだったら日本に帰ってもそんなにアロハ、アロハしてないから、着れるんじゃない?」





くるみが選んだ白地にクジャクの羽のような、模様のアロハシャツは洋平にぴったりだった




「これも欲しい!」




洋平がマネキンに着せていた腰ミノを手に取り、自分の腰に巻いて激しく腰を振り出した





キャハハハッ「なんでそんなに上手なの~~??」



ドンドコドンドコ激しく腰を振る洋平に、くるみの笑いが止まらない




「昨日のファイヤーフラダンスショーを見て出来そうだなと思ったんだ、んでくるちゃんが寝ている間ずっと練習してたら、いつ間にやらプロの域に・・・・」




「あ~っはっはっはッ・・・おなかいたい~~~~ 」




自分が寝ている間にそんなことをしていた洋平に、少し申し訳なくなったがどうにも笑いが止まらない





ドンドコドンドコドンドコ「体幹が大事なんだ、真っすぐ立って尻だけ動かす、尻の筋肉を暴れさせる!」



キャハハハハッ「やめて~~~!お腹いたい~~~真顔やめて~~」



ドンドコドンドコドンドコ「真顔で腰に全神経を集中しないと出来ない、これを笑顔でやれるプロダンサーを尊敬する」



アハハハ「くれよんしんちゃんみたい~~~www」




もはや激し過ぎる洋平の腰の動きは、もう止まらないとばかりに高速で振っている




笑い過ぎて立っていられないくるみが、とうとうテーブルに突っ伏してゲラゲラ笑う




「Oh!アナタ!トテモジョーズネ!」




そこでフラドレスを着たお店の店員が、大騒ぎしている洋平達にカタコトの日本語で声をかけた




「アナタ!スグダンサー二、ナレルネ」



「自分でもそんな気がするんだもしかしたら火も吹けるかもしれない」



ケラケラ「うそでしょ~~~~~」




アロハシャツを握りしめ横でくるみがヒーヒー言って爆笑する




洋平よりも身長が高くて体格の良いモアナが洋平の腕をガシッと掴んで言った




「アナタ!イマカラソコノダンスショー二、サンカスルネ!」



「ええ!」


「ええ!」




・:.。.・:.。.





アラモアナセンターの中央広場は、フラダンスショーの開催で活気に満ちていた



観客席は人々でいっぱいで、拍手と歓声が響き渡る中、色鮮やかなフラドレスのダンサーたちがステージ上で踊っていた




陽光が降り注ぐこの場所は、ハワイの伝統と文化を感じさせる空間で、まるで神聖な儀式のような雰囲気と熱気が漂っている




くっくっくっ・・・・「どうしてこんな事になってるのかしら・・・でもすっごく楽しい 」



くるみはステージの最前列のど真ん中で、ゴープロ片手に、ゲストの洋平達が出て来るのを待っていた




さっきから笑いっぱなしで腹筋が痛い、そしてとうとう海の波の柄のアロハを着た司会者が、マイクを持ってゲストを紹介した



「本日の栄えあるカメハメハ大王に捧げるダンスを、観光客の皆さまで踊って頂きます!ダンサーズ!!カモ―ン!!」



観客の拍手と共にステージには数人の観光客と一番最後に洋平が出て来た



洋平は綺麗な柄のアロハにふくらはぎまである腰ミノ、そして素足に頭は、月桂樹とハイビスカスの冠を被っている




くるみは驚いて彼を見つめたが、すぐにその行動を面白がり、笑顔でゴープロを構えた




クスクス「洋平君がんばって~~~」



ステージに音楽が鳴り響くと、観客の期待と笑顔に包まれながら、洋平は他の観光客達と共に踊り始めた



大勢の観光客のフラダンスの動きは拙く、時折リズムを外し、そのぎこちなさが逆に観客の心をなごませたが、洋平だけは違った



彼はしょっぱなから激しく腰を動かして飛ばし、観客からはワッと歓声が上がった




そしてダンスの指導者が洋平をセンターに連れて来たものだから、余計にステージは湧いた



洋平の腰の動きは、まるでロボットのような高速でリズミカルに正確だった。くるみはその様子を笑いながらカメラで撮影し続けた




くるみのバカ笑いが他の観客にも伝染し、会場全体が洋平のおかげで笑いと喜びに満ち溢れた




アラモアナセンターの奥まった一角に、異国情緒が漂うパワーストーンショップが二人の目に止まった




「へぇ~・・・パワーストーンかぁ・・・」




洋平がパワーストーンショップの前で足を止めて言った、何とも今の彼のファッションがおかしい




彼は参加賞に貰ったアロハシャツと、月桂樹の冠を被って、さらに最優秀賞で貰った40センチぐらいの角が飛び出た、カジキマグロのぬいぐるみを、紐で括って背中に背負っている





ゲラゲラ「何でカジキマグロなのぉ~~~」



「わかんない、でもくれるって言うから」





今の洋平の姿がなんともおかしくて、くるみはずっと笑いっぱなしだ




「見て!見て!オリジナルオーダーパワーストーンですって!私、洋平君に選んであげたいっ!」



「うん、行ってみよう」




店内にはハワイの波の音を思わせるBGMが優しく流れ、照明は柔らかく、所狭しと陳列されているパワー・ストーンが、まるで深海の光を照らし出すかの様に神秘的に輝いていた




キャーッ「綺麗~~・・・・」


「すっごい沢山あるな!」




ガラスケースの中には、世界中から集められた美しいパワーストーンが、色彩豊かに輝いている。くるみと洋平はそんな神秘的な空間の中で、特別な気分を味わった




「いらっしゃいませ、日本語大丈夫ですよ」




「えっと~だ・・・旦那様にぴったりのオリジナル・パワーストーン・ブレスレットを作って欲しくてぇ~」




くるみの言葉に大ぶりで、首まで届くシャンデリアの様なイヤリングに、目も覚めるブルーの神秘的な布を纏っている店員が、ニッコリ笑って言う




「かしこまりました、旦那様はどんな人ですか?旦那様のお好きな所は?」




ぱぁっと明るくなったくるみが、両手を口の前で合わせて言う




「洋平君ってすっごく頭がいいんです!数字の計算なんて電卓より早いの!」(※あんな格好してるけど)




「それでは『アメジスト』!この紫色の石は、知恵と精神的な成長を促す石として知られていますよ」



「へぇ~・・・・」




くるみはアメジストを手に取り、洋平の頭脳明晰さを思いながらキラキラ光る石の表面に映る、自分の姿を見つめていた




「次に何かパートナーに願うことはありますか?」




くるみは瞳を輝かせながら言った



「洋平君がもっと仮想通貨で成功しますように!」




「それなら『シトリン』の出番ですね、この黄金色の石は、強烈な金運を引き寄せると言われています」




差し出された丸い黄金の石は、まるで太陽の輝きを封じ込めたかのように美しく輝き、くるみの心を射抜いた。思わずうっとりと見つめてしまう



「他にはございますか?」




「あとはぁ~・・・洋平君がこれからも、どんどん新しい事にチャレンジ出来ますように!」



「『アベンチュリン』がその願いを助けてくれるでしょう、この緑色の石は、冒険者への守護石であり、新たな冒険への挑戦心を奮い立たせる力を持たせてくれますよ」




くるみはその石を掌に乗せ、洋平の勇敢さを祈った










私の偽装婚約者は億万長者

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

46

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚