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光が死んだ夏。

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光が死んだ夏。

1 - 炎天下。

♥

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2025年07月02日

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この年の蝉の音は例年より大きゅう感じた。

暑いでアイス食べようって話になって、近くの古い駄菓子屋でアイスを買う。






光「なーにが”アイスあり〼”や」

「キソキソのアイスってなんやねん」






って幼馴染の1人、光が愚痴を零す。

キソキソのアイス、アイスあり〼に光が愚痴る。

この話も、もうなんべんもした気ぃする。






佳紀「──だけジュースやんな」

「ほんまにええの?」

『うん。アイスは冷とうて冷とうて』






光と佳紀はキンキンのアイス。

私は冷たいジュース。

昔、アイスは冷たいで好きやないで、と言うと、光が驚いた顔したのはええ思い出や。






佳紀「それにしてもハラセンめ、この炎天下でマラソンさせよって」

『…ほんまそれ 』

光「普通に”ゴーモン”やったな〜」






光の口から出た”ゴーモン”のイントネーションがおかしゅうてツッコミざるを得やん。

私がイントネーションおかしない?言うと、佳紀も肛門のイントネーションやに、って言うた。

なんで肛門にしたのか、私には分からん。






光「そかそか、ごうもん…拷問な」

「気ぃつけよ」






光がそう言うた後、少しの沈黙が私達を包む。

黙ると蝉の声がより一層大きゅう聞こえてきて、夏の暑さが体にぶつかってきて、なんか嫌や。


すると、佳紀がほんまに山であった事、覚えとらんの?1週間も行方不明やったのに、と光に話した。


そう突然言われた光はおー、全然、と軽う返す。

私も半年経ったのに思い出せやんになぁ…と、 遠うの景色を見ながら呟く。






光「もうよくね?」

「いつまでも言ってるやん」

『ええわけあらへん。めっちゃ心配したで』






ムッとした光に私もムッとした声色でそう言うと、佳紀が光の後頭部をグッと掴んだ。

それに光は笑いながら、それやめてやー笑と言うた。






光「俺おらんで寂しかった?」






…って聞かれると佳紀は、






佳紀「いや……別に」

光「嘘やん!?──は?」

『んー…私もかな』

光「『なんで急におらんようになったの?泣』って泣かんだの?」

『……アホらし』

光「なんなん、ちっこい頃『光と結婚するー』言うとったのに」

『黒歴史思い出させんな!ばか光!』






そげ言いながら光んば頭バシッと叩く。

すると光は未来の奥さん暴力的やなーと更にからかってきた。

その光景を終始見とった佳紀は、また、光の後頭部をグッと掴んだ。






光「あ、またぁ 」

「俺よりデカいからってすぐそれするんさー」






そうくすりと笑う光に佳紀は真顔で光に言うた。






佳紀「なぁ…変な事、聞いてええか?」

光「何?愛の告白でもする気なん?」

佳紀「ちゃうわ。いや………」

「これはなぁ、今に始まったことやなくて」











佳紀「お前がさ、行方不明になって帰ってきてからずっと思っとった事やねんけど、」





















「お前やっぱ光ちゃうやろ」












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