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この年の蝉の音は例年より大きゅう感じた。
暑いでアイス食べようって話になって、近くの古い駄菓子屋でアイスを買う。
光「なーにが”アイスあり〼”や」
「キソキソのアイスってなんやねん」
って幼馴染の1人、光が愚痴を零す。
キソキソのアイス、アイスあり〼に光が愚痴る。
この話も、もうなんべんもした気ぃする。
佳紀「──だけジュースやんな」
「ほんまにええの?」
『うん。アイスは冷とうて冷とうて』
光と佳紀はキンキンのアイス。
私は冷たいジュース。
昔、アイスは冷たいで好きやないで、と言うと、光が驚いた顔したのはええ思い出や。
佳紀「それにしてもハラセンめ、この炎天下でマラソンさせよって」
『…ほんまそれ 』
光「普通に”ゴーモン”やったな〜」
光の口から出た”ゴーモン”のイントネーションがおかしゅうてツッコミざるを得やん。
私がイントネーションおかしない?言うと、佳紀も肛門のイントネーションやに、って言うた。
なんで肛門にしたのか、私には分からん。
光「そかそか、ごうもん…拷問な」
「気ぃつけよ」
光がそう言うた後、少しの沈黙が私達を包む。
黙ると蝉の声がより一層大きゅう聞こえてきて、夏の暑さが体にぶつかってきて、なんか嫌や。
すると、佳紀がほんまに山であった事、覚えとらんの?1週間も行方不明やったのに、と光に話した。
そう突然言われた光はおー、全然、と軽う返す。
私も半年経ったのに思い出せやんになぁ…と、 遠うの景色を見ながら呟く。
光「もうよくね?」
「いつまでも言ってるやん」
『ええわけあらへん。めっちゃ心配したで』
ムッとした光に私もムッとした声色でそう言うと、佳紀が光の後頭部をグッと掴んだ。
それに光は笑いながら、それやめてやー笑と言うた。
光「俺おらんで寂しかった?」
…って聞かれると佳紀は、
佳紀「いや……別に」
光「嘘やん!?──は?」
『んー…私もかな』
光「『なんで急におらんようになったの?泣』って泣かんだの?」
『……アホらし』
光「なんなん、ちっこい頃『光と結婚するー』言うとったのに」
『黒歴史思い出させんな!ばか光!』
そげ言いながら光んば頭バシッと叩く。
すると光は未来の奥さん暴力的やなーと更にからかってきた。
その光景を終始見とった佳紀は、また、光の後頭部をグッと掴んだ。
光「あ、またぁ 」
「俺よりデカいからってすぐそれするんさー」
そうくすりと笑う光に佳紀は真顔で光に言うた。
佳紀「なぁ…変な事、聞いてええか?」
光「何?愛の告白でもする気なん?」
佳紀「ちゃうわ。いや………」
「これはなぁ、今に始まったことやなくて」
佳紀「お前がさ、行方不明になって帰ってきてからずっと思っとった事やねんけど、」
「お前やっぱ光ちゃうやろ」