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2人に手を合わせた後



なんとなく、



風呂に入ることにした。



浴室を開け、浴槽に浸かると、懐かしい記憶が流れ込んでくる。



『ふふっ、元貴髪の毛あわあわだ〜。』



『…、元貴、なんか更に筋肉ついてない?』



『いや、誘ってないから、誘ってな、ぁッ//』



二人で湯船に浸かって、そのまま行為に至ったことなんて数え切れないくらいあった。



髪を洗おうと、勢いよく浴槽をあがると、シャンプーがふたつあることに気づいた。



涼ちゃんが生前最後のお泊まりの時言っていた。


『これから僕お泊まりすることも増えると思うし…、家に置いてるのと同じやつ置いとくね〜』




あぁ、涼ちゃん、君って人は



車が爆発する寸前に僕を突き飛ばしてくれた時も、



今も、



なんでもお見通しなの?



少しだけシャンプーを手に取ると涼ちゃんのいつもの、優しい匂いがふわっと薫った。



蛆が湧いているような、腐った僕の心に、また希望を持たせてくれる香りがした。



僕は自分のシャンプーではなく、涼ちゃんが遺していったシャンプーで髪を洗った。



涼ちゃんがくっついて離れないような感覚がして、少しだけ微笑んだ。



そしたら、ほんとに一瞬だけ、暖かい何かに抱きしめられる感覚がした。




暖かい、醜いくらいに愛していたあの感覚




涼ちゃんが来たのかな、




優しくて、お人好しな君が、




僕が寂しがってないか




見に来たのかな。




そんな風にも思えた。





そんなはず絶対ないのに。




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