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第二話
私が魔法学校にきてから一週間後。
あれから魔力の注ぎ方をカールさんに少し教わってあの石も上手に使えるようになった。
カールさんには「魔力が多いね」と少し驚かれたけど私には分かりっこないと苦笑しておいた。
明後日には入学式が始まるので、少しずつ同級生が来て安心した。でも結局、カールさんといる時間が大半を占めてしまう。ちょっと申し訳無いけど、カールさんも訳アリみたいなので一緒にいる。
「カールさん。ここってどういう…?」と私が予習しているとカールさんも紳士に答えてくれる。
私がみたモヤは魔力らしくそれを注ぎ過ぎてあの綺麗な石の魔法が暴発したらしい。
ちなみに綺麗な石は魔法石と言って魔法の手助けをする道具らしい。間違って使ったら凶器にもなるので魔法学校ではお風呂上がりと魔法学の時間だけ許可されている。
「カールさん。一つ質問なんですけど…」と私が見上げて
「うん。いいよ」と頷いてくれる。
「私が小さな頃に森で迷子になったんです。その時に滝が見えて近寄ってみたら、本で見たのとそっくりな神獣が水を飲んでいました。幻想的だったんです。それからも偶に見かけたりするのですが、弟や姉には一つも見えなかったんですよ…やっぱり幻覚かな」
「え…それって、マリーがジークフリートの子孫とか…?」と真剣な顔で考えている。
ジークフリートってあの、五百年前に魔龍を倒した英雄…
「え?でも、私は貧相な農民生まれだし…そんな事はあり得ないと思うけど…」
「そっか…でも一応、家系図は調べていた方がいいかも。魔法学校にいる分には使わないけど、卒業した後にもしかしたら使う事もあるかもしれないし」とまだ少し考えているカールさんに言われる。
「はい。ありがとうございます」と礼を言ってから階段を別れた。
一年生の寮は三階で二年は二階、三年が一階だ。
でも、寮だけで、学校では低学年は三階までしか行けない。その中でも一年生は一階を往復する事が多いので上の階とはほとんど縁がない。
でも、学年委員とかは大丈夫だったような事も聞いた。
私は少し賑やかになってきた寮の一〇九号室に入った。それから日記を書いて寝ようと思ったらドアのノックする音が聞こえた。
「カールだ。夜分遅くに悪い。ゴットフリード様のお呼び出しだそうだ」
ゴットフリード・オーゲン・ドューダという大魔導士がいるって事は聞いた事あるけど、まだ会った事が無い。
大魔導士はこの国に二人いるけど弟子の方だって言っていた。
私は眠い目を擦って外へ出た。
私はカールさんに連れられるまま学校の五階まできた。
カールが三回ノックをしてから「カールです。マリーを連れてきました」と話かけた。
「入れ」という声が聞こえたのでカールさんの影に隠れて入った。
「おやおや、この子がマリーか。私はゴットフリードだ」とにこやかにしている人に何か見覚えがあった。
白い髪と茜色の瞳が特徴的な老人がいた。
ええっと、なんだっけ…?って、あ!
私はあの魔法石を暴発させて逃げている途中でぶつかった人という事を思い出した。確かに、魔力は集中しなくても見えたから印象が強かった。
「あ、はい。マリーです」
「これを授けよう」と白くて、私の手より一回り大きな卵を渡された。
思ったより軽くてびっくりした。
「これは、龍の卵だ。魔力を注いで魔力の扱い方を身に着けろ。卒業したら《《卵は》》返却してもらう」と『卵は』と強調した。
「え?卵は、って?」と頭の上にハテナマークがあるのを見て苦笑して「孵化させたら龍はやる」と茜色の瞳で見つめられた。
「魔導士向きでは無いな」と鼻で笑われて「もう大丈夫だ。戻ってろ」と後ろを向いた。
私はペコリと頭を下げてからドアの外へ行った。
「え?龍の卵をもらったの?」とカールさんの頭の上にハテナマークが出ていた。
「はい。でもなぜでしょうか?」と私と二人で考えながら部屋へ戻る道を歩いていたけど全く見当がつかない。魔力の扱い方って自然と身につくっていってたから本当の理由が分からない。
入学初日。
私は緑の制服を着て入学式を終えた。
卵はユッタさんに頼んでポシェットを作ってもらって持ち歩いている。
少し緊張したけど、無事に何事も無かった。
でも、王都育ちの貴族の人は親も参観しているらしい。
「ふふ。後はクラス発表だね。低学年の内はクラス替えが無いんだ」とカールさんがクラス表を眺めている。私は背が小さいので代わりに読んでもらう事にした。
「あれ?今年は二クラスだね。マリーは……あ、一組だ。担任はユリン先生だね」と読み上げてくれた。
「ありがとうございます。確かに他の学年は三クラスでしたね」と礼を言うと「三年も近いから、ついて行くよ」と途中まで一緒にいた。
少し、カールさんの同級生事情が気になってたけど私が気にしてもしょうがないと頭を振って考え事をどこかに追いやった。