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授業をサボって、屋上の日陰で仰向けになる
先程まで青春の音で溢れかえっていた廊下や校庭は1つの鐘で静かになって、ただ青く透き通った空に流れていく白い雲を眺めていた
今の空の色はわたしの好きな彼女にそっくりで、透き通った青…よりは少し薄いけど、綺麗な水色で、流れていく白い雲と同じ色の髪が入っていて、瞳が太陽みたいに輝いていて。
彼女が___ぺこらがすきだ。いつからだろうか、元は好きなタイプではなかったはずなんだけどな。話してみると面白くて、楽しくていつのまにかずっと隣にいて、ふとした時の笑顔に惹かれて、いつのまにか今の親友以上の関係を求めてしまう。
それが彼女にとってどれだけ迷惑なことか。彼女はきっと今の関係を望んでる。それ以上でもそれ以下でもない。マリンはこれからもずっと親友止まりだ。でもそれを彼女が望むなら、彼女の隣にいられるなら、この気持ちを押し殺したい。決して前に出したくない。
彼女によく似た空に、優しく触れるように手を伸ばす。当たり前だけど触れるわけがなくて、手は空をさまよう。
「なんで好きになっちゃったんだろ……。こんな気持ち、ぺこらに言えるわけねぇーし…届かないし…」
「届いてるぺこだよ」
「そっか…ってえ?、ええ!!!!??ぺこらぁ!?」
「なーに1人だけサボって黄昏てんの?」
「いや、その、うん、それはごめん。それより……と、届いてるって?」
「?、そのままぺこ。マリンはわかりやすいぺこだからずっと気づいてたよ」
「な、!?ま、まじで…??」
「まあ、親友ぺこだからな!!」
“親友”その言葉がマリンの胸を貫く。痛い。
言ってしまいたいのに、気づいていたとしてそれにぺこらが答えてくれるかわからない。
「……ん、いわねぇの?」
「言う…ってな、何を?」
「別に、マリンは親友でいいの?」
え、何それ。期待していいの?ぺこらちゃんがもしかしたらわたしのこと親友以上になれる気持ちをもってるかもって。おんなじ気持ちを持ってくれてるかもって。
「そ、れは……言っても、いいの?」
ぺこちゃんはでもそれ以上を望まないんじゃないの?マリンとは親友なんじゃないの?迷惑なんじゃ……「いいよ」
深呼吸をする。晴天の静かな屋上。みんなは眠い授業を受けていて、ぺこらとマリンだけが太陽の下にいる。綺麗な青空の下でその綺麗な空によく似た彼女に、彼女の太陽みたいに輝く目をみつめて、今まで抑えてきた気持ちを言葉にする。
「ぺこらがすき。マリンと付き合ってくれませんか」
「…いいよ。」
その言葉も嬉しいけど、今はそれだけじゃ足りない。わたしは言ったんだ。ぺこらだけ言わないなんてずるい。
「ぺこらは、マリンのことすき?」
明らかに顔を歪める彼女は、一瞬にして心を決めたように顔を紅く染めて、ま、マリンがす、すき。とあわあわしている。その一言が、その表情が、その目が、マリンの心を揺さぶる。どれだけこの状況を望んでいただろうか。ぺこらとマリンの関係が親友から恋人へ変わる。
青空の下で、2人の影は長くひとつになっていた。