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大きな魔法陣が死神の背後に浮かび上がる。
🕯「邪鬼解封。」
そう唱えると、魔法陣から続々とおぞましい悪霊達が出てきた。
図体が大きい者や、兵隊のような見た目をした者、腕が6本生えた者など、計5体もの悪霊が現れた。
🕯「これは今まで僕が仕留めてきた奴らの魂だよ。今は僕が自由に操れる、精々いい戦いをするといいよ。」
死神は後方へと姿を移動させ、静かにたたずむようだ。
呼び出された悪霊達は確かに自我を失っていた。
まるで操り人形のようだった。
言葉は一切発さず、己の力だけで鎮めようとしてくる。
👾「ここは手分けして相手しよう。」
🫘「そうやな、1人1体なら行けるか?」
💭「マナトは僧侶だから私が守るよ。」
これ今絶対マナトきゅんきゅんしてるでしょ…!!
⚡️「ほぇ、ありがとさん。」
………してなかった!!!
🌙「じゃあ私はあっちの敵やってくるね。」
🍯「んじゃ私はこっちね。」
各々、相手する悪霊が決まってぶつかりに行った。
俺はこの腕が6本生えた奴が相手か。
1つづつ腕を落としてから倒すのが効率的か…?
とにかくみぞおち付近を剣でぶっ刺す。
👾「あぁ、効いてる効いてる。」
さすがの悪霊でもみぞおちは痛いみたい。
向こうでは、はにけーきがレーザーガンとショットガンを屈指して戦ってる。
あちらでは、マナトがユメにバフ魔法をかけて戦わせてる。
そっちでは、マリさんが流星群で地道にダメージを与えつつ剣でぶった斬ってる。
こっちでは、ごまめがブーメランみたいに鎌を高速で投げ続けてハンマーで体中をぶん殴ってる。
みんななかなか恐ろしい戦い方してるなぁ。
そんなことを考えてる内に隙ができてしまって、敵に思いっきり殴られてしまった。
👾「いった!?」
まさか殴られると思ってなかったために、呆気にとられてしまった。
ふとここで、少し前に新しい魔法を覚えたことを思い出した。
👾「1発カマしてみるか。」
手のひらに力を込めて腕を前に突き出す。
👾「フラムーガ!!」
炎の柱が悪霊を突き刺すように生成された。
悪霊は炎の渦に焼き焦がれて消滅した。
👾「うわこれすご、めっちゃ強いじゃん。」
こっちの対処はこれで終わり。
みんなもそれぞれの相手が終わったようだ。
👾「おつかれ、大丈夫だった?」
🍯「私は銃オンリーだったからなかなか大変だったよ(笑)」
🌙「私は1度も攻撃当てられずに済みましたー!」
🫘「俺なかなか強いんやなぁって思ったで。」
💭「こっちはマナトがなんか掛けてくれたから簡単に倒せた!」
ノルマ以上の成果を出すこいつらに流石だなぁと感心する。
🕯「もう倒しちゃったか、凄いねほんとに。」
凄い棒読みで褒められる。
全く嬉しくない……。
でもこっからは俺たちのターン。
👾「はにちゃん!!………………………」
🍯「ふふーん、おっけ〜〜〜〜!!!」
こっちには作戦がある。
まず、はにけーきに死神の標準を合わせる。
なんてったってはにけーきは素早さに優れてるからな、死神のスピード相手に負けたりはしないだろう。
🍯「あろまちゃーーん、こっちだよ!!」
背後にまわってサブマシンガンを撃ちまくる。
この戦法を何度見てきたことだろう。
もうお得意技ですね。
しかもエイム力も上がったのか、弾が全て命中している、これはすごい。
徐々に体力を削りながら死神の視点を完全に固定したところで次はマナトに、俺とマリさんにバフをかけさせる。
⚡️「もうMPほぼねえんだけど…パワイタル!!」
これで攻撃力が増加した。
最後に合体技を仕掛ける。
どっちも剣使いの職業、同時に畳み掛ければ物凄い威力になるはず。
💭「はにさん!こっち戻ってきて!!」
🍯「おっけー!!!」
はにけーきをこちら側に帰還させ、それに伴って死神の標準もこちらに合わせる。
準備は整った。
👾「いくよ。」
🌙「ふぅ……おっけ…。」
剣を構えて宙に舞う。
🕯「なにする気…?」
👾「トドメだー!!」
🌙「喰らえ!!」
👾🌙「月華星落斬り!!」
月の光を帯びた剣と、無数の星が纏わりついた剣が死神の頭部から胴体までを綺麗に切り裂く。
死神は勢いで壁にまで吹き飛ばされ、叩きつけられた後に、地面に倒れ込んだ。
💭「すげぇ………。」
見事、死神に勝利した。
これでこの近辺に平和が訪れたはず。
優越感と満足感でおなかいっぱいになった。
そうして、王室から出ようとした、その時だった。
🕯「……まって。」
⚡️「おいお前ら、あいつまだ生きてるぞ。」
💭「はぁ!?早く仕留めないとやばいって!!」
瞬時に戦闘態勢になる。
🕯「違う、まって。」
どうやら戦う気は無いみたいだ。
🕯「君たちにはもう負けでいいよ、でも今から魔王の討伐に向けて旅するんでしょ?」
👾「まぁそうだけど。」
🕯「最初にも言った通り、僕は魔王に酷い仕打ちをされて恨みが残ってる。だから僕も復讐のために一緒に行きたい、そして魔王に苦しみを味合わせたい。」
そういや言ってたなぁ。
俺は別に魔王になんらかの不服を抱いて旅に出てるわけじゃなくて、単純に王に任せられたから来てるだけなんだけど。
🫘「でもこの死神めっちゃ強かったし、せっかくやから連れてったったらええんちゃう?」
👾「だと思った、じゃあ一緒に行こ。」
🕯「ありがと、精一杯力になるよ。」
死神が仲間になった。
死神が仲間になるってよくわからないけど。
でも強大な力を持っていることは確かだ。
主戦力になってもおかしくないぐらい強い。
🍯「そういやあの宿のおじさん、力貸すとか言ってたくせになんもしてもらってなくない?」
確かに。
口だけだったのか。
👾「まんまと引っかかっちまったなぁ。」
そうして城から出る。
また別の地へと進むことにした。
バコーーーーン!!!
さっきまで居た城が大爆発して崩壊した。
しかしとっくに遠くまで進み続けた俺たちは誰も気づかなかった。
「これで手助けしたことになったかのぅ…、わしはこれで精一杯じゃ。」