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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「大雅ーー!!」2人の声がした。ほとんどの時間を一緒に過ごしているであろう大雅の友達。陽佑と伊織だ。「2人とも、急にどうした?w」2人はいつも底明るく、元気だ。「今日も3人で一緒に帰ろうと思ってさ!」そう言ってくれるのを待ってた。この3人一緒に帰れる時間が、今は何よりも大切だ。みんなでくだらない話をしながら笑いあって歩いていくのが、凄く楽しかった。


家に帰って、少し考えた。最近、陽佑といると胸が高鳴っている気がする。どうしてなんだろうか。もしかして……好き…………とか?でも男が男を好きってどうなんだ……?というか本当に好きなのか?!?!考えれば考えるほど分からない。とりあえず今日は考えるのを辞めて、課題をやることにした。

5x+3y……あれ?なんか違うな…………うーん………………気づけばもう9時半を回っている。ちょっと課題をやりすぎただろうか。トゥルルルルルル……あれ?こんな時間にスマホに着信がある。誰からだろうか。

「もしもし〜?」「もしもし〜?俺だよ!」「オレオレ詐欺辞めろやwwww」陽佑が、こんな時間でも大雅に電話をかけてくれた。これは大雅にとって、ものすごく嬉しい事だった。「オレオレ詐欺じゃないしwww陽佑だよ、!w」ほんとに、嬉しい。「嬉しいな……(小声)」「ん?どした?」「なんでもないwww」

他愛ない話を繰り返していたら、11時半になっていた。「ごめん、そろそろ寝るから切るわ!」電話を切ってしまうその瞬間が、少し寂しくて。「おけ!またかけてな!」また電話をかけて欲しいって、そう言ってしまう。「りょ!また掛けるわ!」プツン……

電話が切れてしまった音を聞くのがたまらなくつらい。大雅は天井を見上げた。

やっぱり、好きなんだ。自分。

陽佑のことが。たまらなく。電話をしてる時や、話してる時がどうしても嬉しくて。思わず、飛び上がってしまいそうで。でも、不安ばっかりで。隣にいていいのか、一緒にいて陽佑が幸せになってくれるのか分からなくて。やっぱり、悩んでしまう。大雅の昔からの悪い癖だ。

最近、自分が何をしたいのか分からない。何をしても面白くない。何しても何も感じない。今回は考えて好きってことに気づけたけど、考えなかったらきっと気づかなかっただろう。ほんとに、何がしたいんだろう。そんなことを考えながら、大雅は眠りについた。

朝。陽佑にかっこいいって思って貰いたくて、ちゃんと身だしなみを整えて、学校へ向かう。好きって気づいたなら、頑張らなきゃ。努力しなきゃ。必要な教科書類をカバンに入れて、玄関を飛び出し、走り出した。



まずい。現在時刻、8時15分。学校までは、かなりある。それもそのはず。大雅は、寝坊をしてしまっていた。そして寝坊していたにも関わらず、身だしなみを整えたせいでこの時間なのである。「やばいやばいやばい……!!!」もうとっくに疲れていたが、最後の力を振り絞って走り出した。

学校についた。8時23分。超ギリギリだ。「まに……あった……?」教室に入ると、陽佑が話しかけてくれた。「お前どうした?息めっちゃ切れてんぞ?w」「ちょっと……寝坊して……w」折角整えた身だしなみはとっくに崩れていた。(あーどうしよ……)「まぁとりあえず支度しろよ?w」「うん、わかったw」そして大雅は支度を始めた。

1時間目になった。陽佑に良い奴だと思って貰いたくて、授業もちゃんと聞いて、ノートもちゃんととって。見てもらえてなくても。頑張ってる。そんな自分の右斜め前で、陽佑は眠そうにあくびをしていた。疲れてるのかな。自分が疲れを癒せたらいいのに。まぁ、そんなこと出来ないけど。


まぁそんなこんなあって、帰りの時間になった。今日も3人で行こうと思った……がその願いは叶わなかった。陽佑と伊織が、肩を寄せあって、手を繋ぎながら、歩いていくのを見てしまった。見間違いだと思っておいて、今日は少し遠回りして家に帰ることにした。


家に帰って考え直した。ほんとに見間違いじゃなかろうか?でも自分はしっかり見ていた。ほんとに……あの2人が恋人同士だったら……いや、きっと何かのドッキリだろう。明日、明日きっと陽佑が何か言ってくるはず。そう思って、また眠りについた。

朝になった。今日は生憎休みだったので、(校則違反だけどまぁいっかw)とか思いながら近くのショッピングセンターに向かう。

ショッピングセンターについて、最初に三階へ向かった。少し百均に欲しいものがあったので、百均に向かった。

これとこれと……あと……これかな……必要な物が大体揃ったので、買っていくことにした。レジに並んでいる時だった。

「そーいえばさ……w」何かを話しながら歩いていく陽佑と伊織の姿を見つけた。大雅は会計を早めに終わらせ、2人について行く事にした。

2人が向かっていったのは、少し人気のないショッピングセンターの端。大雅は息を飲んで2人の様子を伺っていた。

「伊織、言いたいことがあるんだ。」陽佑がそう言う。まさか、そんなことは。「ずっと好きでした。」

「付き合ってくれませんか?」

あぁ。全て終わってしまった。胸を高鳴らせた自分の初恋は、泡のように儚く散ってしまった。大雅は、去っていく2人の後ろ姿を見つめるしか無かった。もちろん、2人は手を繋いでいた。

「誰かの幸は誰かの不幸」そんな言葉を小説でよく見る。そして、今理解した。「2人の幸せは、自分の不幸の上に成り立っていた、と。」もう、どうしたらいいのか分からなかった。

お      わ      り




同級生が元ネタの小説(短編集ぽいやつ。たまに続いてる)

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