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そんな暖かい雰囲気の中ノックが鳴り響いた 。

そのノックに返答を返し、ドアを開ければ 、

もう任務が終わったのか、春千夜くんが立っていた 。

「よぉ。なんもされてねぇだろうなぁ?」

「失礼な 。ちゃんといい子ちゃんで待ってたぜ ?」

そうニヤニヤと兄ちゃん達は彼に返答をした。

「ほんとかぁ??千冬。」

「ほんと!!!」

「ふーん、、」

「千冬 !!!!」

春千夜くんの後ろから俺の名前を呼んだのは大好きな兄ちゃんだ。彼は俺を見て

「千冬〜 !!あー!!疲れたぁぁ!!」

抱きしめて俺の匂いを嗅いだ。

「あー!!いい匂いーー!!!」

「嗅ぐな、ww」

「………んで ??なんでアンタらが千冬の面倒を???」

先程の笑顔がすんと消えて、彼らを睨んだ。

「ヤク中に頼まれたんだよ。」

「それに俺ら千冬のお兄ちゃんだし 、?」

「は??お前、今何つった??

千冬の兄貴は俺だけなんだけど??

千冬をいちばん分かってんのも、

千冬を一番に思ってるのも、

千冬のことを愛してるのも、

千冬のことを一生懸命考えてるのも、

俺だけなんだよ ??」

「に、兄ちゃん 、?たけみっ((」

「俺は千冬を見つけた時から、

俺のものにしようって決めてたのに、

ここに連れてきたからだ、そっから変わったんだ、

俺は、、、」

「たけみっち、?」

前の彼とは別。俺の知らない彼は、なんだか、怯えているような、威嚇しているような、

その姿はまさに、人間から我が子を守ろうとしている猛獣のようだった。

「あいぼ、、泣」

その姿が、どうしようもなく怖くて、救えない、あんなことさえ俺がしなければ、

みんなもっと幸せだったのに、

後悔が俺を陥れようとする。

「お前らも消してやる、、」

「相棒 っ!!!泣

なぁ、やめてよ、やめろよ、ごめん、俺が悪いから、

俺があんなことさえしなければ、

俺がもっと早く気づいてれば、俺がもっと違い手段を見つけていたなら、

本当にごめん、だから、兄ちゃんたちを、殺さないで、!!

俺が悪かったから !!!泣」

必死に訴えると届いたのか俺の目を見つめ、彼は涙をぽろぽろと流し始めた。

「千冬、どうして、?

俺じゃダメなの、?

蘭くんや、竜胆くんがいいの、?

春千夜くんがいいの、?

千冬のこと愛してるのに、?

兄ちゃん、、じゃ、、だめ、なの、?泣」

違う、そうじゃない。そういうことが言いたいんじゃないのに、

俺を口を開けば開くほど、彼を傷つけていることに気がついて、俺は何も言えなかった。

「ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「なんで!?なんでだよ千冬!!

俺を捨てるのか!?なんで!?!?

こんなにも千冬のこと思ってんのに!!

なんで伝わらないんだよ!?!?」

「千冬は俺のなのに!!!!」

彼は気が狂ったように怒鳴り始めた。そんな彼に怯えて、震え出す。

「たけ、みち 、、?泣震」

その姿を見て、彼ははっとして、「ごめん、」と俺を抱きしめた。

「ごめん、千冬、その、、俺は、、」

春千夜くんに目線を向けると、彼は黙って首を振った。

どうしてみんな、千冬は俺のものと言うんだろう??

前世ではこんなこと無かったのに。

「てめぇは一旦休めや。」

口を開いたのは心配そうに兄ちゃんを見つめる春千夜くんだった。

「……わかった、ごめんな、千冬、」

兄ちゃんは出ていった。春千夜くんはその背中を見つめて、ため息をついた。

「あいつも変わっちまったな、」

「ねぇ、なんでみんな俺の事を自分のものっていうの、?」

気になって質問してみた。

「あ??あー、、その言葉通りじゃねぇの?」

「そ、っか、」

「お前もしかしてだけどよぉ??自分はみんなのもので、みんなはみんなのものって思ってね??」

「え?そりゃそうでしょ」

「…… いや、違うだろ、他にも事情はあるんだよ。」

「事情??」

首をまげ、彼の目を見つめるも、彼は目線を逸らし、

「知らなくていいんだよ餓鬼。」

そっぽ向いた。

なんてケチな人なんだ。

「ねぇ。春千夜くん、教えて!!」

しつこく言えばなんとかなると思ったが、そう簡単には行かない様子。

「ねぇねぇ、竜兄教えて〜  、」

ガキを演じて、彼のそうだだをこねると、

「えぇ?千冬のことみんな好きだからだよ〜笑」

からかってきた。何となくわかってた。

灰谷兄弟なんだから。そうかそうかつまり君はそういう奴なんだなというくだりは何万回もやった。

分かりきってる事だ。

「ふざけないでよ 〜  !!」

「拗ねんなってー笑」

でも、本当に 、みんな変わっちゃったし、



どういう意味なんだろう??




『反社と記憶のないはずの俺』

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