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田丸はしばらく無言で俺を見つめていた。
やがて、ゆっくりと身を寄せ、俺の耳元に顔を近づける。
息がかかるほどの距離。
「…ふぅん。ほな――」
田丸の声は、まるでASMR動画そのもののような低く、甘い響きだった。
「こんな感じで、囁かれたら…どうなん?」
その声が耳に触れた瞬間
ゾワッと全身に鳥肌が立った。
背筋が痺れ、腰の奥が熱くなるような感覚。
「……っ!」
俺は思わず息を呑み、体を硬直させる。
目の前の男──
いや、最推し配信者がまさにその声で自分に囁いている。
「…ほぉ、やっぱり弱いんやね。耳」
田丸はクスッと小さく笑い、さらに俺の耳元で囁き続ける。
「この感じで…毎晩ASMR聞きながら寝とんのか? それとも──もっと…やらしぃ使い方してんちゃう?」
その言葉は、どこか挑発的で、煽るように甘かった。
俺は顔を真っ赤にして口ごもりながらも
ただ目の前の男の声に翻弄され、体の奥からじわじわと熱がこみ上げてくるのが分かった。
田丸はニヤリと笑いながら、俺の目をじっと見つめた。
「なあ、正直に応えろや。“イデア”に、どんなことされてみたいん?」
その問いかけは、いつも画面越し、イヤホン越しに聞くASMRのセリフそのものだった。
これ以上はだめだと思った俺は遅れながらも田丸を胸を押してベッドから降りた。
「……っ、お、推しだからってな!ちょっと声がいいからって、調子乗んなよ……!?」
そう言って俺は推しであるイデアもとい
田丸を押しのけて逃げるように隣の自分の部屋へと戻った。
バタンと乱暴に扉を閉め、壁に背中を預けてずるずると座り込む。
「……や、やべえ…」
田丸の声が耳の奥に残っている。
低くて甘くて、それでいて意地悪で。
俺は膝に顔を埋めた。
熱い。頬が火照る。
あの声で囁かれたら、頭がおかしくなりそうだった。
そしてなにより、たったあれだけことで自分のペニスは服の上からでも分かるぐらいに勃起をしていた。
そのとき気づく。
自分がゲイなのかもしれないということに。
いや、俺はノンケだ
今まで女しか抱いたことないし
男に翻弄されるとかありえない
なのに、あの声が耳に残って離れない。
明日からどんな顔して田丸と話せばいいか分からなくなった。
だって仮にも最推しだぞ
あんな爆弾級の吐息ボイス隠してるとかモテ要素す
ぎてムカつくし
これ以上あんな声で話しかけられたら心臓が持たな
い
その後何とか処理をして床についたが
悶々と田丸のことばかり考えてしまいなかなか眠れなかった。
◆◇◆◇
次の日
いつも通りの時間に大学へと向かい授業を受ける。
昼休みになって食堂で昼食を取っていると、ふと肩を叩かれる感触。
振り向くとそこには田丸がいた。
「よお」
昨日のことを思い出してしまい目をそらしてしまう。
すると田丸が口を開いた。
「なあ、昨日のことやけど」
俺がぎくりとすると
「昨日の声どないやった?……ほんまに興奮したん?」
とニヤニヤしながら聞いてくる田丸。
俺は顔が熱くなるのを感じた。
そして勢いよく立ち上がって
「うっせー!!もう話しかけんな!!!」
と言い残し去ろうとすると、腕を掴まれた。
「俺、お前のこと気に入ったんやけどな~」
「は?」
「今日、うち来ん?」
「は、はあ?なんで俺が…!」
「俺の声、オカズにしちまうほど好きなんやろ?」
「ぜ、絶対行かね…て、てかオカズになんかしてねーし!自惚れんな!」
◆◇◆◇
その夜…
俺は田丸の部屋の前にいた。
不覚にも、結局来てしまったのだ
しかもなんなら何かあるんじゃないかと思って田丸のASMRに感化されて買ってしまった後ろが丸見えの紐パンを履いてきてしまった
俺は馬鹿か
(大バカすぎる、チョロすぎるだろ…)
一呼吸置いて、インターホンを押すと
しばらくして田丸が扉を開けて姿を現した。
「ほんまに来たんか。さすがに来おへんと思ってたわ」
振り返るとそこには俺を待っていたと言わんばかりに笑っている田丸がいた。
それだけで顔がカァーッと赤くなっていくのがわか
る。
それを見てなのか知らないがまた彼は俺に近づいてきて、耳元で囁いてきた。
「顔真っ赤やん」
そのまま腰を抱かれ部屋に連れて行かれる。
「ちょっ、おい!離れろって!」
抵抗しようとするものの力が強くて敵わない。
リビングに通されソファーに座らされた後すぐに
田丸は俺の横に座り
またもや俺の耳元に口を近付ける
「悟くんやっけ、いっつも女の子とヤリまくって
るって噂」
「っひ!?だからやめろってば!!」
吐息混じりに囁かれる低音に、俺はびっくりして身体をビクつかせてしまう。
それに満足そうな笑みを浮かべると今度は首筋に舌を這わせてくる。
慌てて離そうとするも逆に引き寄せられてしまい、余計に密着する形になってしまった
「なあ…さっきから見えてんだけど」
そう言いながら田丸の右手は俺の太腿に伸びてきて
触り始める。
「なっ、なにが…」
聞くと、いつの間にかズボンからはみ出ていたパンツの紐部分を指で引っ張られて
「際どいパンツ…穿いてきたんやろ?」