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「──────!───、」

302号室の前の廊下まで、とても楽しそうな声が聞こえてくる。

レイン・エイムズは恋人が病気を患ったと聞き急いで仕事を片付けここに飛んできた、もちろん剣サーフィンで。

なのに恋人のマッシュがいる302号室は、マッシュのほかに友人達がいて何やらパーティーをしているようだった。

「(どのタイミングで入れば…?)」

そう悩んではみるものの、恋人が今どんな状態なのか心配でならないので、思い切ってレインは勢いよくドアを開けた。

ガチャッ

「マッシュッ!」

皆「!!」

マッシュの友人達が驚いたような目でレインを見つめている。しかし当の恋人は何の用だと言ったような目でレインを見ていた。

「…マッシュ、お前大丈夫なのか、?」

レインがそういうと、近くで紅茶を飲んでいたランスが声を出す。

「マッシュは今失声症という病気にかかっている、今は声が出せないから筆談だ。」

ランスの言う通り、マッシュはメモにペンを走らせている。一通り書き終えたのかマッシュはメモの内容を見せる。

“僕は大丈夫、声がでないだけだから、それ以外身体に問題はないよ”

少しだけ微笑んだような顔でメモを見せてきたマッシュ、ただレインはそうも行かないようで…

「失声症というのはストレスで声帯の筋肉が弱まり声が出なくなる病気だ、問題ないと思っていても、奥底にあるかもしれないだろう、お前達医者から聞いてないのか」

一瞬その場にいたランス達は口をとざす、一番最初に口を開いたのはフィンだった。

「たしかに、ココ最近のマッシュ君、ずっと緊張してたような気がする」

「マッシュが?」

「うん…顔には出さないけど、ボーっとしてる時間が増えてたり、筋トレの時もいつものより軽いダンベル使ってて…しかもプロテインの時間遅れたこともあったんだよ、!」

大問題のようには聞こえないかもしれないが、マッシュの近くにいた友人達はいつもマッシュを見てきているため、その異常性が伺えていた。

「…俺さ、マッシュがいつもシュークリーム作ってる調理室で泣いてるとこ見た」

そう、いつもよりちいさな声でいうドットに視線が集まる。「どういうことだ?」とレインが言う。

マッシュも見られていたのかと言いたそうな顔をしていた。

「いつものように調理室からいい匂いすっから、マッシュが作ってんのかと思って入ろうとしたら、マッシュが手止めてて、なんだ?と思ったら泣いてるから、入ろうかと思ったけどなんか思う節があるのかとかかんがえちゃって結局入らなかったんだよ」

「お前バカか、普通慰めに入るだろ」

「嘘つけやお前だって入らねぇだろうが」

「アンナが泣いていたら入る。」

「いやアンナちゃん限定じゃねぇかよ」

と、喧嘩を始めたドットとランスをよそに、他の3人はマッシュに事実確認をしていた。

本当に泣いていたのか、どうして泣いていたのか、問い詰めてもマッシュは俯いたままだった。あまり追い込むのもよくない、とレインが言った。

言った直後マッシュはメモに何か書き始めた。

“確かに泣いてたけど、泣いた理由は僕には分からない。僕もなんで泣いたか分からない、何故か涙が出てきた、なんで?”

そう質問を質問で返してきたマッシュに、どうしたらいいものかと頭を悩ませる3人。

一応レイン用に椅子を用意し皆で緊張の原因を探すことにした。

声、出せなくなっちゃった

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