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テラーノベル(Teller Novel)
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先程までシュークリームパーチーをしていた雰囲気はうってかわり、302号室は重たい空気に包まれていた。

普段めったに泣かないマッシュが泣いたとなれば、皆気が気では無いようだ。

「(…言わなきゃ良かったかな)」

心の中で後悔しているドット、彼が見たのはマッシュが泣いた姿、それをつい数分前カミングアウトした。

それからというもの、ドット以外は難しいことを考えているような顔をしている。

そんな光景に見かねたマッシュはペンを走らせる。それに気づいたレイン達は黙ってマッシュを見つめている。だいぶ長い文を書いているようで、少し時間がかかった。

“僕も少し考えた、あの時シュークリーム作ってたんだけど、急に手が震えて視界がにじんだ、そういえば声が出にくくなったのもあれくらいだった気がする。”

ペラペラとメモをめくりながらレイン達に内容を見せていく。

全ての内容を読んだ時、レインは眉間に皺を寄せ言った。

「何故相談しなかった?」

なるべく負担にならないよう、レインは優しめの声で言った。その声は、少し震えていた。

その質問を受け、マッシュはまたペンでスラスラと文字を書く。

“心配かけたくなかった、声に関しては風邪だと思ってたし、泣いた理由もよく分からないから”

と、マッシュらしい返答が帰ってきた。

『心配をかけたくない』

マッシュは仲間を頼れる人であるのは皆知っていた、主にテスト期間などで、

ただ、テスト期間以外、マッシュはあまり仲間を頼らなかった。

丈夫で優しい彼は仲間を想い体調のことを言わなかったのだ。

そんなマッシュに、レイン達は自分の不甲斐なさに心を痛めた。

「…もっと早く気づけていたら、ごめんなさいマッシュくん、嫁ともあろうものが体調にも気づけないなんて…嫁失格ですッ!」

“レモンちゃんを嫁に貰った覚えは無いけど、まぁそこまで思い詰めることないよ”

サラッと『嫁』と言う立場を否定しながらも、仲間のせいじゃないとフォローもいれた。

「お前は優しすぎる、もっと自分のことも考えろ」

「そ、そうだよマッシュくん!もっと…もっと僕達を頼ってくれて良いんだからね!」

その言葉を聞いたマッシュは、少しだけ目を見開いて、コクッと頷いた。

「約束だからな、」とレインが付け足す。

『約束』と聞いて少しビクッとしたが、少しあいてまた頷く。

ちゃんと守るのかはさておき、ひとまず約束を取り付けた所でドットが口を挟む。

「なぁ、そろそろ夜遅いし、もう帰った方がいいんじゃね?」

窓の外を見ると先程まで夕日が浮かんでいた空は既に月が昇っていた。

302号室に来ていたランス、ドット、レモン、レインはマッシュとフィンに一言「おやすみ」と声をかけ自室に戻っていく、レインだけはマッシュの頭を撫でてからおでこにキスをし戻って行った。

マッシュは少し顔を赤らめながらキスされた場所を自分で撫でる。それを見たフィンは(早く治るといいな)と思いながら、マッシュにも挨拶をする。

「おやすみ、マッシュ君」

それに応えるようにマッシュはフィンの目を見てふわっと顔を緩めた。


私的にはマッシュ君は日常的に仲間を頼る人なのかなとか思うんですけど、でも迷惑はかけたくない的な思いがあってもいいんじゃないかなみたいな、はい、無駄な話です。

でもこれが刺さる人がいたらいいなって思います。

声、出せなくなっちゃった

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コメント

9

ユーザー

刺さりまくってサボテン🌵状態です…

ユーザー

刺さりましたァ……ハリセンボンにナッチャウ

ユーザー

テスト期間て笑笑 でも最後の文は同意すぎて頭めっちゃ振りました

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