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翌朝、太陽が昇る前から、4人とリオは小屋の前で集まっていた。今までの生活では、食料を集めたり、簡単な生活基盤を作ったりしてきたが、次に重要なのは「守る力」だと感じていた。肉食恐竜との遭遇もあり、今後の安全を考えると、武器の準備は不可欠だった。
「武器を作るぞ。」いさなが、真剣な顔つきで言った。「槍、弓矢、ナイフ、石刀。必要最低限の防御を整えよう。」
「槍、弓矢、ナイフ、石刀…作れるのか?」みりんが疑問を浮かべる。「でも、やるならやらなきゃだね。」
「リオも手伝ってくれれば、すぐできるよ。」ゆうながリオを指さす。「リオ、木の枝とか運んでくれる?」
リオは頷き、長い首を使って周囲の木の枝を引き寄せ始めた。リオの手助けで、短時間で素材を集めることができるだろう。
いさなは、槍を作るために一本の太い木の枝を選んだ。枝の先端を尖らせ、ナイフで削り始める。目を凝らしながら慎重に作業を進めるいさなを、他のメンバーは見守る。
「槍を作るには端を鋭くしないとね。」いさなは黙々と削りながら言う。「先に石を使って刃を作るのもアリだけど、まずは木で。」
「うん、それがいいね。」みりんが石を手に取る。「石刀も作ってみるね。これで小さいけど、手に馴染むやつができそう。」
ゆうなと萌香は、弓矢の作成に取り掛かる。弓を作るためには、しっかりとしなやかな木の枝が必要だ。ゆうなが適当な木を見つけ、弓にするために削り始めた。
「弓の形にするには、木を少ししんなりさせる必要があるんだよね。」ゆうなが説明する。「もし火を使って温めて、形を整えることができれば、もっと弓として使いやすくなるはず。」
萌香は、弓を作るために使う弦を用意する。「これで弓が完成したら、矢を作るんだね。矢の先は石で尖らせるしかないけど…」
「石なら、石刀で簡単に尖らせられるよ。」みりんが頷きながら答えた。
石刀は、硬い石を使って削り、刃の部分を作る。みりんはその作業を得意としており、手際よく石を選んで削り始めた。
「石刀は意外と使い勝手がいいから、これがあれば色々な作業が楽になるよね。」みりんが微笑んで言う。
「これ、持ちやすい。」ゆうなが石刀を手に取って確認する。「次はナイフだね。」
ナイフも、木の柄と石を組み合わせて作られた。ナイフは普段の生活の中でも非常に役立つ道具だ。木材を切るときや、食事を準備するときに必要不可欠だ。
数時間後、槍、弓矢、ナイフ、石刀が完成した。槍は先端が鋭く、しっかりとした持ち手がついており、弓矢は弓の弦をしっかりと引けるように調整されている。ナイフと石刀も、それぞれの用途に応じて使いやすい形になっていた。
「これで準備完了だ。」いさなは自分の槍を手に持ちながら言う。「もしまた恐竜に遭遇しても、これがあればなんとか守れる。」
「これでリオも安心だね。」萌香がリオに向かって微笑んだ。「みんなで一緒に戦おう!」
「うん!」ゆうなが拳を握りしめて言った。「これで安全を守れる!」
武器を手にした4人は、少し自信に満ちた顔でお互いに頷き合った。恐竜の脅威に直面し、これから先も厳しい日々が続くことだろう。しかし、今はその準備ができた。
「次は食料だ。戦うためにも、しっかりとした体力が必要だ。」いさなが力強く言った。「武器を使うだけじゃなく、もっと力をつけていこう。」
「そうだね。」みりんが微笑んだ。「でも、今日のところはまず休んで、また明日から始めよう。」
リオが穏やかな目で4人を見守り、その大きな体を伸ばした。小屋の中には、少しの安堵と共に、前に進む力強い決意が満ちていた。