12月10日はひふどの日!ということで、高校生(男子校)ひふどの小説にございまする。
現代ひふどですと主が書きにくくて仕方なかったので高校生時代の体育祭にしました。
はい、ほとんど捏造しております。あとアニメ勢のため、灰灰ちゃんがまさかの同級生だったことを本当に昨日知ったので、完全妄想になります。
ひふどの日を当日の前日に知ったので、当日になって急いで書いています。そのため雑です。(特に一二三の名字が全く書かれていません)
しかも間に合いませんでした…(((((
それでも良ければ、どうぞお進み下さい!
「やっべ~!さっきの独歩ちんめっちゃカッコ良かったべ~!?」
興奮したように、宝石級美形こと伊弉冉一二三が、隣のクラスメイトに鼻息荒く話し掛けた。可哀想に、あまりの美形に彼は気絶してしまい、また別のクラスメイトに運ばれていったのは別の話。
そして、一二三の視線の先には、徒競走を一位で走り終え、テントの席でぐったりとしている観音坂独歩がいた。
普段はあまり運動に本気を出すことがない彼は、実は足が速いことを団長にばれ、一位を取るように頼まれたのである(脅されたとも言う)。
ちなみに、独歩と一二三は同じ赤組である。
「次はプログラム10番、借り物競争です。出場する生徒は───」
「んぉ、俺っちの出番だな!」
一二三は席を立ち上がり、軽い足取りで入場門へと向かった。
「それでは、スタートです!」
スターターの音と共に、一斉に準備していた五人が走り出した。もちろんその中には一二三がいる。心なしか、一二三への声援が多い気がするが、それはいつものことなのであった。
そう、一二三は宝石級美形。むさ苦しい男子校にいる、数少ない、男子達にも好かれる男…それが伊弉冉一二三その男なのである!
「さぁ一斉にスタートしました、ただ今先行しているのは一二三選手!」
実況の声がスピーカーから響き、グラウンドは熱気に包まれた。保護者達も主に一二三に対して応援している。
「さぁ!一番で紙を手にしました!お題は何なのでしょうか!」
「やっべ~!俺っちめちゃ速じゃね!?天才かもしれ────」
一二三は、四つ折りにされた紙を広げると、固まった。次々に走者が追い付いてくる。
「おぉっと!一二三選手なぜか真っ赤になって固まってしまいました!」
それを見た独歩は、顔をしかめ心の中で何をしているんだとあきれた。と、早くしろと焦れていると、突然一二三がこちらを向いた。
「走者はまだ誰もゴールしていません!借り物探しが難航しているようです!」
一二三は深呼吸し、意を決したようにこちらへ全速力で駆けてきた。
「…えっ」
独歩が驚く間もなく、一二三は独歩の目の前に仁王立ちで止まった。あまりの気迫に、独歩は嫌な予感がし体が強ばる。
「独歩!!走れる!?」
一二三にそう言われ、独歩は首を横に振る。すでに徒競走で彼はへろへろになっていたのだった。
「っ……じゃ、じゃあ、ごめん!」
がっ、と両肩を掴まれ、独歩はあれよあれよというまにお姫様だっこされていた。
「………はぁ!?」
独歩は顔を真っ赤にし、しかし落ちたくはないのかしっかりと両腕を一二三の首に回している。一二三は「しっかり捕まってて!」とイケメンの代名詞のようなセリフを吐き、全速力でダッシュした。
「おっとぉーまさかの一二三選手、別クラスの独歩氏をお姫様だっこでダッシュしている!今のところ一番だが、どうなる!そしてお題は何なんだ!」
実況に熱が入ると、グラウンドはざわつき、そしてショックで倒れる者もいた。
「一二三選手、今…!」
「ゴールしましたー!!!」
わっ、とグラウンドが沸き立ち、独歩は降ろされた。そして審判の先生がやってくる。そして順々に走者達がゴールする。
「一二三君、紙を見せてくれ。お題に合うか確認するよ。」
先生に手を出され、一二三は何故かもぞもぞもんもんとしている。先生は首を傾げ、手をさらに一二三へと突きだす。
「えっとぉ……その、ちょっち待って下さい、先生!」
一二三はぱん!と音をたてて自身の顔の前で手を合わせて懇願すると、まだ状況が理解出来ていない独歩に視線を向ける。
しばしの沈黙ののち、一二三が「独歩ちん!」と大音量で叫び、グラウンドが一瞬静まった。思わず実況も先生も固唾を飲む。
「あんな…独歩ちん。」
独歩は、一二三の真っ直ぐなその金色の瞳に見つめられ、背筋が伸びる。
「ずっとずっと、大好きだった!付き合ってくれ!!!!」
「え」
一二三は独歩の目の前で、くしゃくしゃの紙を開く……
そこには、はっきりとこう書かれていた。
「…………」
「…な、ななな…、なんということでしょう!!!まさかのお題は、好きな人だ!男子校なのにこんなの入れた奴誰だ!」
保護者席の女性(特に生徒の姉達)は沸き立ち、生徒席の男子達はばたばたと倒れ、あるいは阿鼻叫喚し、あるいは二人を囃し立てていた。
「…………」
「おぉっと!これは確実にノン坂氏は固まっています!返答はどうなるんでしょうか!というか体育祭でカップル生まれたら思わず殺意がわいてしまいそうです!」
一二三は真っ赤になり固まっている独歩を緊張したように見据える。
そして、ついに独歩が口を開いた。
「…………ょ」
「へ?」
独歩はぎゅっと目を瞑り、手で小さく丸を作った。そして、蚊の鳴くような声で、
「いいよ」
と呟いた。
「……………っ、まじで!?!?!?」
一二三は強張らせていた顔をみるみる輝かせ、「やったぁぁぁ!!!!」と叫びながら独歩に抱きついた。
「ばっ、今抱きつくな、恥ずかしい!」
一二三が清々しい涙を浮かべ、はしゃいでいた頃、一二三推しだった全ての生徒達が全力で泣いていたことを、二人は知らない。
「独歩ちん、朝ごはんだぜ!」
うぅん、と唸る独歩に、嬉しそうにそのシャンパンゴールドの瞳を細める。
「んん……?もう朝か…?」
「俺っち、もうすぐ寝ちゃうから早く早く~♪」
のっそりと布団から出てきた独歩をリビングに押し出す。独歩はまだ寝ぼけているのか、目を擦ってもにゃもにゃと何か呟いている。
「じゃ、いただきま~す!」
「いただきます。」
鼻歌を歌っている一二三に気付き、独歩が首を傾げる。
「どうした?今日はやけにご機嫌だな。」
「ぬっふふ~ん。ちょっと昔の夢を見てな~。独歩ちん若かったな~」
「…どうせ俺はもう29のおっさん…はっ…!まさか年を取るのも俺がこの世界に存在しているせい…?」
「あーもー!独歩ちん、まぁたネガってる!…それに、独歩がいなくなったら俺っち死んじゃうから。」
一二三が膨れっ面でそう言うと、独歩は慌てたように訂正した。一二三はしばらくむすっとしていたが、やがてニヒッと、輝くような笑顔を浮かべた。
「じょーだんじょーだん!…………独歩ちん。」
「ずぅっと、一緒だかんな!」
あとがき
実はひふどを書くのはこれが初めてでして、慣れないまま書いたためやはり文章が拙いかもしれません。
ですが、今回はとても楽しみながら書けました。是非楽しんで頂けると嬉しいです。
本当はひふどへの愛を語りたい所なのですが、長くなりそうなので一言だけで締めさせて頂きます。
ひふど愛してる!!!!
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