テラーノベル
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Lulu🍓💖
其の一
私の家は、少しおかしい。
私は20代半ばで、最近一軒家を買った。
家賃も安く住心地も良いから、私はとてもこの家を気に入っていた。
はじめは、ね。
でも段々、うすうすとこの家のおかしなところに気づき始めた。
柱に耳を当てると、ドク、ドクと、まるで大きな心臓が動いているような音が聞こえる。
水道水はなぜか生暖かく、鉄のような味がする。
玄関の扉を開けると、咀嚼音のような音も聞こえる。
この間、リビングの壁紙をわざと爪で傷付けてみた。すると、傷口から少し赤い液体が流れたが、翌日には綺麗に直っていた。
何かがおかしい、いや、明らかにおかしい。私は不信感を抱きながら、お風呂に入った。
シャワーを出すと、変なにおいがした。口にふくんでみると、普通のシャワーと違い、少し酸っぱかった。
水を口から吐き出して、私は湯船に入った。
やはり、お湯がとろとろしている。はじめは入浴剤かと思って喜んでいたが、段々それは粘り気を増して、どろどろしてきた。
まるで、胃液のよう⋯⋯。
私は怖くなり、その日はもう眠ることにした。
寝室の電気を消し、布団にもぐった。
目を瞑り眠りにつこうとした、そのとき。
ガシッ
何かが私の足を掴んだように感じた。
驚いた私は、思わず上半身を勢いよく起こした。
恐る恐る布団をめくると、そこにはうねうねと私の両足に絡みつく無数の細い管があった。
その血管のような管は、またたく間に両足に入り込んだ。痛いというより、ひどくかゆい。
私の体内で正体不明の何かがうごめいている、そう思うと、吐き気がした。
私は力任せに管を引きちぎり、全速力で玄関へ向かった。
しかし、玄関には扉ではなく、肉の塊が行く手をふさいでいた。規則正しくドクドクと動いている。
パニックになった私は物置部屋にあったとんかちを手に取り、思い切り壁にぶつけた。
ドン、ドン、ドン⋯⋯
何度も何度も繰り返し壁にとんかちを叩きつけた。
すると、壁にヒビが入り、少し割れた。
よし、と思ったが
その柱はは鉄筋ではなく、いくつもの人間の本物の骨でできていた。
驚きのあまり腰を抜かした私は、もう叫ぶ余裕も無かった。
目の前にさっきの管が迫る。
気づけば私の意識は遠のいていた。
意識が朦朧とする中、背骨が引き抜かれるような感覚になった。
「この物件はお安くて日当たりも良くて、おまけにとても快適でお勧めですよ。」
数カ月後、新しい家族がやってきた不動産屋では、満面の笑みでピカピカの新築のようになった家を紹介している大家さんがいた。
次はきっと、あなたの家にも⋯⋯
コメント
1件
うわ、これはガチで怖いわ…。家そのものが生き物っていう設定、序盤からちゃんと表現されてるのが好み。柱の心臓音とか水道水が鉄の味とか、日常の違和感がじわじわ来る感じがめっちゃ良い。最後の不動産屋のシーンで「次はあなた」って締めるの、陰湿でえぐいな…。この家のルールとか生態が気になるから、続き読みたい🔥