テラーノベル
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イギリス「……早く出して頂きたい。ここに長居する趣味はありませんので」
喉の調子を確かめるように軽く咳払いをし、イギリスは冷ややかにスピーカーを見上げた。
アレルギーが治ったという想定外の事態に、スピーカーの向こうでゲームマスターが歯噛みする気配が伝わってくる。
ゲームマスター「くそっ、何がアレルギーは治っただ!……いいだろう、ここから出す。だがタダでは出さん! そこに入っていないフランスならどうだ!? ギロチンだ! フランスがギロチンにかかるというなら、お前たち全員を出してやる!」
狂った要求が部屋に響き渡る。
人道的な国際機関である国連が「何を言うてんのや!」と怒声をあげ、アメリカが銃の引き金に指をかけ、ソ連が殺気を膨らませた、その瞬間。
フランス「、はいよろこんで」
一切の躊躇もない、あまりにも軽い声だった。
ベレー帽の影から覗く右の赤い瞳は、濁りなく澄んでいる。自分の命が天秤にかけられているというのに、まるで「お茶でもいかが?」と誘われたかのような気軽さで、フランスは微笑んだ。
アメリカ、国連、ソ連の3人が、その異常な即答ぶりに息を呑む。
イギリス「……」
しかし、イギリスだけは驚きもしなかった。
ただ、やれやれと深くため息をつくと、シルクハットの庇を指先で少しだけ押し上げ、ゲームマスターに向けて冷徹な、けれどどこか確信に満ちた声を放つ。
イギリス「見てなさい。……この男がどれだけ狂っているかを」
モノクルの奥の蒼い瞳が、ゲームマスターのいるであろう監視カメラを真っ向から射抜いた。
イギリス「彼の、、、十八番(おはこ)に入るものを」
フランスという国が辿ってきた、血と、革命と、断頭台の歴史。
他ならぬその恐怖の象徴(ギロチン)を突きつけられて、恐怖するどころか「悦び」すら滲ませる目の前の男の異常性に、スピーカーの向こうのゲームマスターは、初めて本物の恐怖を味わうことになる。
道端に生えてる草
コメント
1件
第3話、読み終えました……🥀 フランスの「はいよろこんで」、あの軽さが逆に怖かったです。自分のギロチンなのに「悦び」すら滲ませてるの、異常で美しくて、背筋がゾクッとしました。 イギリスの「十八番に入るものを」って台詞も、この地獄の空気をよく知ってる感じがして、すごく好きです。 さかなさんの書く“闇”の表現、いつも丁寧で胸に刺さります。続きが気になって仕方ないです……🤍