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仲良しで恋人未満?ぐらいの二人です。
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日も沈み雲も見えない程の暗い夜、
猟犬は仕事が休みであり、朝から想い人と共に過ごしていた。
その想い人とは、精神病院に居るおかっぱ。
彼の子供のようにはしゃぐ姿はなんとも可愛らしいのだが精神疾患を患っただけで本来は大人なのだ。
医者によると、過去に大きな鉱山事故に巻き込まれた事で大きなトラウマがあり、暗闇が嫌いで、何か頭に被っていないと常に頭から何か降って来るような想像をしてしまい、怯えてしまう。
まぁ、複雑な事情があるのは理解してるが、そんな怯えやすい所も猟犬にとってはもう愛おしさの1つなのだ。
「ん、りょーけんっ、…りょーけんは、あした、もここ、居るの?」
「ん、嗚呼、居るぜ、久々に休みを貰ったから明日はずっとおかっぱと遊べるな。」
「!!わあい、!!やった、りょーけん、あした …ここいる!! 僕うれしい、!」
嬉しそうに微笑むおかっぱ。それを見て自然と猟犬も笑みが零れ落ちる。
おかっぱの被っている鍋ならはみ出た毛を撫でてやると、おかっぱは目を輝かせて楽しそうに笑い、「りょーけんもっ!」と言ってフードの上から猟犬の頭を撫でる。
無関係の人から見たらカップルのイチャつきの様に見えるやり取りをしながらおかっぱと猟犬、互いに笑いあって居ると、突如、窓の外から雷が落ちてくる。
ゴロロロロ!!!!
雷による轟音と共に先程まで着いていた電気が消える。
そんな時、咄嗟に猟犬が思った事は、おかっぱにトラウマを思い出させてしまう、という焦りであった。
咄嗟に猟犬の取った行動は、思い切りおかっぱを抱き締め、外は暗いという事を理解させない事だった。
「んわ、!りょーけんっっ……、大きい音、した……、っ、…おそと、だいじょうぶ、?……こわぃ、」
「嗚呼、大丈夫だ。おかっぱは気にするな、なんかの通り雨だろうし、直ぐ収まる。」
「ん…ん、わかった……でも、こわい、しちゃうから…まだこのまま、だめ、?」
抱き締めるなんて全然良いし抱き締める以上の事もしてやるというかさせて欲しい。
ふとそんな下心まみれの言葉が猟犬の脳裏をよぎり、口走りそうになったがなんとか堪えた猟犬は安心させる様な口調で。
「良いに決まってるだろ、おかっぱが怖いなら俺が何時でも抱きついてこいよ。」
「……!!いいの?りょーけん、ぎゅーする、しても。」
「嗚呼、良いぜ。」
暗闇の中、そんな穏やかな会話を交わしながら停電が終わるのを待つ。
猟犬は待ってる間強く誓った。
“こいつは俺が守る。”
と。
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END.