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好きすぎますぅ!
先ほどまで飲んでいた紅茶を机に置く
水面は、ちいさな衝撃だけで
ゆらゆらと揺れて
苦しみ侵されるぼくを映すのだ。
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「ふふふ…」
甘い紅茶の中に潜む味に
どくん、どくん、と鼓動の音が聞こえて
自身の頬を更に赤色で蕩けさせていく
「嗚呼、甘いですね」
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「あはは、それはよかった」
嬉しそうな笑い声と共に
相槌を打ってきた青年
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ぼくの瞳に彼を映すより前に
腕を回されてしまえば、
離す気もないその力を相手に
体を動かす自由は到底許されないだろう
そこまで頭を働かせれば
不意に首筋に彼の吐息が降りてきた
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「ん、」
温かさも含むその吐息に
声も体も快感を示せば
青年は満足そうにすぐに腕を解いた
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「もう満足されたのですか?」
「うん」
「…それは寂しいですね」
「あ、そういえば毒のお味は?」
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その言葉だけで瞳が蕩け
頬を紅潮と染めはじめる
口からは温かい吐息が漏れた。
身体の興奮を抑えて 我を保つ
「徐々に身体を侵していく毒、実に貴方らしくて善い毒ですね」
「そう」
感想を訊いて
ぼくに背を向け扉へ向かい始める彼
「ですが、毒を飲ませるなんて探偵社の所業とは思えません」
「知ってるくせに…、
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この紅茶に毒なんて入ってないよ」
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その返答に、笑みが深くなるばかり
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「嗚呼、実に楽しいごっこ遊びでしたね」
「いつか、
本当に君を侵せる日が来たらいいのに」
想像するだけでゾクゾクする
とでも言いたげに青年も頬を赤色で染めた。