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『』
「昨日ぶりだね?」
ニヤリと歪んだ顔、その顔に殺意を込める。
「まぁまぁそんな怖い顔しないで」
ひょいとコンタミの目の前に出されていた枝を自分の肩に置いた。
「ちょっと話せる?」
「いや、すみません。用事があるので」
そんなの無理に決まっている。 こいつは何を企んでいるんだ?
その表情はニコリと笑っているが、本当にそれは笑っているのだろうか?
それは まるで仮面を被っている様だった。
「すみません。用事があるので」
「用事?用事なら次の機会に回せばいい。ほら、こっち」
腕をガシッと掴まれ強引に細道に連れて行かれる。
「ちょっと、離っせ…!」
掴まれている手を外そうとするがあまりの強さにそれは叶わなかった。
「ほい、着いたよ」
腕を外すのに夢中になっていて気づかなかったが、そこは花が咲き誇っていて奥には立派な館が建っていた。
「わぁ..」
綺麗な景色に思わず声が漏れる。
「立ち話も何だし中に入ろうか」
ガシッと掴まれていた腕はいつの間にか離されていて今度は優しく手招きをする。
その表情はとても優しい顔をしていて「こっちへ」というその言葉につられ聞き入れてしまう。
木製の扉を開け中に入ると外見とは変わってボロボロで壁は剥がれ落ち床はきしんでいる。
「ラミン、客だよ」
そう一言言い放つと剥がれ落ちていた壁やボロボロな床がみるみるうちに綺麗になっていく。
「ラー!」
声が聞こえる。
その途端前にいた青いニット帽を被った男に青く丸い生物が引っ付いていることが分かった。
「はいはい、すみませんでした~。おーい、こっちこっち」
その男は青い生物にカブりと噛みつく者もいればペシペシと叩く者もいる。
「ちょっと大丈夫…?」
「え~?だからごめんって、あぁ大丈夫大丈夫。」
変な奴だな…
「それじゃここ座っといて」
椅子をトントンと叩く。
「あぁ…」
自分が座るのを確認すると自分から向かい側の椅子に座った。
「君を連れて来たのは他でもない!君…人外でしょ?」
ピクリと体が揺れる。
「人外?冗談言わないでよ」
手を握り自分を落ち着かせる。
大丈夫、大丈夫。 ばれない、絶対に。
青いニット帽を被った男を見ると青色に光る目がこちらを捉えていた。