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#ちゃのざき
かわそ🍼💙 ☁️💫
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D a i ©
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そろそろ彼が迎えに来る時間だ。
玄関に荷物を用意し、スマホを片手にソファに座って待っていると、ちょうど通知が届いた。
《おはよう! もうそろそろ着くで!》
《おはよ! 了解!》
返信をして、立ち上がる。
実は、昨晩はあまり眠れなかった。
帰り道の出来事を思い出しては、また彼に気を使わせてしまったと後悔していた。
彼の優しさに甘えるのは心地いいけれど、負担にはなりたくなくて、そんなことをベッドの中でぐるぐる考えてしまったのだ。
……まあ、シンプルに旅行が楽しみだったというのもあるのだけれど。
ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴った。
わざわざ上まで上がってきてくれたみたいだ。
モニターを確認すると、そこにはにっこにこと笑う彼の顔。
朝からかわいいな、と思う。
インターホンの通話ボタンを押した。
「じゅう、おはよー!!! 迎えに来たでー!」
「はーい、今行くー」
玄関の鍵を開けると、彼が満面の笑みで立っていた。
「じゅーう!!! おはよー!!!!!!ついに北海道やで!!!楽しみやなぁ!!」
どうやら、朝からテンションがかなり高めのようだ。
自分のバッグを持とうと手を伸ばすと、彼の手がそこに重なった。
「ほらほらっ!俺が持つで!俺に任せてや!!!」
そう言って僕の荷物をひょいと持ち上げ、ドアを開けて待っていてくれる。
出た。
彼はたまに、こういう紳士的なところがある。
「ありがと」
僕は素直に甘えて、二人で家を出た。
二人きりのエレベーター。
沈黙のなか、下降していく感覚に身を任せながら呟く。
「楽しみ」
独り言のような、小さな声だった。
「楽しみやね! 二人きりやね! 嬉しい!!」
すぐ隣から返ってきたのは、どこまでも優しい笑顔。
心臓が、トクンと跳ねた。
「しゅん、すぐそうやってモテようとしてくんのなんなの?」
「えー? そんなことしてないでー! ……ってことも、なくなくないかもなー! はっはっは!!」
「もう、どっち? むかつく。百歩譲って誰かにやるのは許すから、せめて僕の前でやらないでよ」
彼は満足そうに笑っている。
けれど、言葉にしてから胸の奥が少しチクリとした。
他でもこんなことをやっているんだと考えると、なんだかちょっと……。
「やだな」
「んー? 何がいやなん?」
僕の顔を覗き込んできた。
あ、今の、声に出てた。
やばい。
「別に、なんでもない!ほら着いたよ。行こ」
ちょうどいいタイミングでエレベーターが1階に着いた。
開いた扉から逃げるように足を踏み出す。
「こんなん、じゅうにしかせぇへんって!!」
後ろから、にこにこしながらそんな声をかけてくる彼を置いて、僕はズンズンと前を歩いた。
心の声まで読まれているのだろうか。
こわっ。
「あ、じゅうこっち! 車こっちだから!」
後ろから彼の笑い声が追いかけてくる。
あ、逆に向かって歩いてた。
はずかしい。
僕は慌てて方向転換し、小走りで彼の車の助手席に乗り込んだ。
「しゅん、荷物ありがと。運転お願いします」
「はいよー!! そしたらじゅうちゃん! 出発すんでー!!」
車が静かに動き出す。
旅の始まり。
胸の奥が、じんわりとわくわくしてくる。
あ、そういえば。
「しゅん、これ飲む? コーヒー淹れてきたんだけど」
「えー!! わざわざ準備してきてくれたん??ありがとう!さすが俺のじゅうやな!」
大袈裟に喜ぶ彼に、持ってきたタンブラーを渡した。
「いや、いつから僕はしゅんのものになったわけ?」
「え? 違うん?いやなん?」
運転席から、きゅるきゅるした目で訴えかけてくる。
僕は、昔から彼のこの顔に弱い。
「まあ、別に嫌じゃないけど」
旅の前で浮かれていたのだろうか。
普段の自分なら絶対に言わないような言葉が、するりと口から出てしまった。
彼は一瞬、驚いたように目を見開いて、そのまま黙ってしまった。
車内に、ウインカーのカチカチという音だけが響く。
……あれ。やっぱり、変なこと言っちゃったよな。
「ごめん、冗談。忘れて」
きまずくなって、窓の外の景色を見つめながら、さっきの言葉を取り消そうとした。
「忘れられるか、あほ」
「あほ?!」
「あほーーーー!」
あほってなんだ。
まあ、舜太よりは頭が悪いのは認めるけれど、あほではないだろ、別に。
そんな風にぶつぶつと文句を言い合っているうちに、気がつけば行く手に大きな空港が見えてきた。
「さぁ、もう着くで!空港!こっから北海道までひとっ飛びや!!」
本当に、彼といると時間があっという間に過ぎていく。
「運転、ありがと」
「ええよー!ほら、行こや!」
車を停めて外に出ると、彼はまた僕の荷物まで持とうとしてくれた。
けれど、さすがに申し訳なくなって、自分のバッグは自分で抱えた。
僕だって、一応男だ。
To be continued……
コメント
1件
わ、第4話読んだよ!この2人ほんとにいい距離感だよね〜。出発前のやり取りから既に甘酸っぱくて、特に「俺のじゅう」発言からの照れ隠しとか、もうニヤニヤが止まらなかったわ。しゅんの「忘れられるか、あほ」の返しが最高で、思わず声出して笑った。旅の始まりから既に密度濃くて、続きが気になる!北海道編、楽しみにしてる🔥