テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
931
1,151
ゆき
614
あの日の出来事があってからも学園には変わらない日常が続いていた
吉田の能力についても安易に聞いてはいけない
そんな暗黙の了解がいつの間にか生徒たちの間にできあがっていた
そんな中、当の本人である吉田はというと——
自分の席に座り一枚のプリントを見つめながら苦々しい顔をしていた
そう、それは……
『体育祭のお知らせ』
体育祭は吉田が最も苦手とする行事である
勉強に関しては誰にも引けを取らない吉田だが運動となると話は別だ
もともと体力がないこともあり体を動かす行事はできることなら避けて通りたい
仁人「はぁ……今年もこの時期がやってきてしまったか」
盛大なため息をつく吉田
そんな彼の様子を見かねたのか近くにいた古川が歩み寄り、ぽんっと肩を叩いた
毅「まぁまぁ。仁人のところは、生徒会長を筆頭に運動神経いいんだからさ」
仁人「そーゆー問題じゃないの! やりたいか、やりたくないかの問題!」
毅「いや、体育祭なんだからやるしかないでしょ」
仁人「うるさいなぁ……」
古川の正論に吉田はぐっと言葉を詰まらせた
この学園では体育祭をはじめとする行事はそれぞれが所属しているグループごとに参加することになっている
そして、吉田が所属する生徒会——M!LKはというと
メンバー全員運動神経は抜群
昨年の体育祭でも見事に優勝を果たしている、まさに優勝候補のグループだった
……そう、吉田以外は
仁人「なんでうちのメンバーあんなに運動神経いいんだよ……」
そして、吉田にはもう一つ頭を悩ませていることがあった
それは——自分の能力についてだ
この学園の体育祭では特別なルールが設けられている
体育祭の競技中は生徒全員が自分の能力を使用してもよい
普段は制限されている能力もこの日ばかりは競技の一部として認められるのだ
しかし、吉田には一つ大きな問題があった
自分の能力を自由に発動することができないのだ
周りの生徒たちがそれぞれの能力を活かして競技に挑む中自分だけが何もできなかったら
もし、自分のせいでチームの足を引っ張ってしまったら
仁人「……はぁ」
吉田は手元のプリントに再度視線を落とした
運動が苦手なことだけでも憂鬱なのに…
仁人「……どうすっかなぁ」
小さく呟いた声は誰にも聞かれることなく消えていった
そして、佐野勇斗はというと——
「俺、やっぱ仁人一筋だから!」
そう言ってお見合いも許嫁の話もきっぱりと断ったらしい
────────────────────────
この人のこういう能力出して欲しい!っていうのがあったらコメントお願いします!
コメント
1件
うわ、第8話読んだわ!体育祭か〜。吉田くん、運動苦手で能力も自由に使えないってまさに二重苦じゃん。主人公の辛そうな表情が目に浮かぶよ。でもM!LKのメンバーが強すぎてむしろギャップ萌え。そして佐野くんの「仁人一筋」発言、ぶれなくて好き(笑)次の展開気になるわ!