通学電車

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　赤 桃

　　 桃 👉🏻 主人公

　地雷さん 🔙 推奨

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　毎朝 、 同じ時間の電車で通学してると 、 よく車両にいる人を覚えたりする 。

　｢ … ｣

　… 勿論 、 彼のことも 。

　彼はどうやら赤 、 という名前らしい 。

　この間 、 友達らしき人と話している時に ｢ 赤 ｣ と呼ばれていたから 。

　盗み聞きではない 。 断じて 。 うん 。

　彼は 、 いつも俺と同じ時間の電車に乗っていて 、 いつも小説を読んでいた 。

　その横顔が物凄く整っていて 、 綺麗で 、 俺は何時しか彼のことを目で探すようになっていた 。

　だけど 、 今日は違った 。

　いつもなら小説を読んでいる筈の彼が 、今日はどこか落ち着かない様子でそわそわしている 。

　どうしたんだろう 、 なんて思いながらも 、 声を掛けられる筈もなく 、 俺はただただ彼のことを見詰める 。

　ふと 、 彼が俺の方を見た 。

　彼と目が合う 。

　｢ … っ ｣

　

　綺麗な瞳で見詰められて 、 俺は自分の頬が赤くなったのを感じた 。

　そんな俺を見て 、 彼が1枚の紙切れを差し出した 。

　そこには 、

　『 連絡先教えてください 』

　と書いてあった 。