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#御曹司
鷹槻れん

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#極道
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そうして即座に修太郎さんの方へ目線を転じられると、「修太郎、お前はそれでいいのかっ? 佳穂さんは女っ気の全くないお前のためにわしがわざわざ探してきた女だぞ? 幼い頃から見知った仲だし、年齢だって……藤原さんのお嬢さんよりよっぽどお前に相応しい! 失礼だが日織さんはお前にとったら小娘も同然の年齢差じゃないかっ」とおっしゃった。
でも、修太郎さんの冷たい視線を受けて、すぐにハッとなさったのが分かった。
「父さん、あなたがそれをおっしゃいますか? 宮美さんとあなたの年齢差に比べたら、僕と日織さんの年の差の方が少ないはずです」
私はこの時にはまだ存じ上げなかったのですが、六十三歳の天馬氏に対して、後妻に入られた宮美さんは現在四十八歳。その差十五は、私と修太郎さんの十三歳よりも、確かに大きかったのです。
修太郎さんの指摘を受けて、わなわなと震える天馬氏に、宮美さんが心配そうなお顔で寄り添っていらっしゃるのが印象的でした。
「――あなた、残念すぎるぐらい全然お変わりになられていないんですね」
ややして溜め息交じりに口を開かれたのは、今まで修太郎さんの横に黙って座しておられた絢乃さんだった。
「そうやって、何でもかんでもご自分の思い通りになると思っていらっしゃる。相手の気持ちなんてお構いなしに自分の意見を押し付けてばかり。ホントうんざりします」
「母さん……っ」
修太郎さんがそんな絢乃さんを止めようとなさるのだけれど、ダメみたいだった。
「修太郎がそこのお嬢さんのことを長いことずっと想ってきたことなんて、親なら嫌でも分かるでしょうに。――あなたが如何にこの子に無関心だったか、よぉーく分かりました。きっと同じように、そこの息子さんに対してもそうなんでしょうね」
棘のある言い方と表情。
離婚なさった元ご主人なのだから、想うことがおありなんでしょう。
けれど、私はどうなってしまうんだろう、とオロオロしてしまう。
そんな私の手を、横に座るお母様がそっと握ってくださって、小声で「大丈夫よ」と声を掛けてくださった。
「神崎さん」
今までずっと黙っておられたお父様が不意に口を開かれて、私はドキッとしてしまう。
恐る恐るお母様越しに、わずか見え隠れするお父様を見やると、思いのほか穏やかなお顔をしていらして、少しホッとする。
「私は昨夜娘から修太郎くんへの想いを聞きました。修太郎くんの娘への想いもしっかりと確認させてもらっているつもりです。その上で、私たち夫婦は修太郎くんと娘を応援しようという結論に達しました」
お父様の言葉に、天馬氏が思わず腰を浮かせる。
お父様はそれを穏やかな笑顔と所作で制すると、「修太郎くんの娘への気持ちは我々が何か言ってどうこうできるレベルじゃありませんよ。彼はなかなかに芯の通った青年のようです。一度こうと決めたら曲げないところなんて、正直神崎さん、あなたそっくりじゃないですか。それに――」
そこで健二さんと佳穂さんに視線を転じていらっしゃると、「相手は入れ替わってしまったかもしれませんが、二人とも神崎さんが推した女性を伴侶に選んだんでしょう? 何か問題がありますか?」とおっしゃった。
「そ、それは――」
天馬氏はまだ何か言いたげに口を何度か開いたり閉じたりなさったけれど、この場には一人もご自身の味方はいないと気付かれたのか、結局口を閉ざしてしまわれた。
「ところで――。一連の経緯は健二くんの采配だったのかな?」
天馬氏が何もおっしゃらないと判断なさったのか、お父様は健二さんの方へ身体の向きを変えて話しかける。
「え?」
それに対して、健二さんは質問の意味をはかりかねたのか、そう問いかけしていらした。
コメント
2件
これは天馬さん、黙るしかないね(笑)
読み終えたよ〜!第70話、修太郎の家の事情が一気に深掘りされてめっちゃ熱かった🔥 天馬氏が「年齢差」を盾に佳穂さんを推してきたのを、修太郎が「宮美さんとの差より少ない」ってピシャリと返すシーン、痺れたわ。そこに絢乃さんの爆発も重なって、親世代の価値観の歪さと修太郎たちの揺るがない芯がくっきり対比されてて良かった。神崎父の「そっくりじゃないですか」ってツッコミも痛快だったし、最後の健二さんへの「采配?」って問いかけで、まだ裏がある匂いがして続きが気になる…!