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こんばんはtakuです。
第3話のいいねの数が多かったので出しました。
いいねありがとうございました。
第4話違和感
食事を終えたあとも、
妙な静けさは残っていた。
食器を片付ける音だけが、やけに大きく響く。
かっちゃんは無言で皿を重ね、
轟くんは黙ってコップを洗っている。
僕は二人の間に立ちながら、どこに視線を置けばいいのか分からず、ただ手を動かしていた。
(……まただ)
三人でいるはずなのに、会話が噛み合わない。
誰かが一歩踏み出せば、誰かが引く。
まるで、見えない境界線を踏まないように、
互いに探り合っているみたいだった。
「デク」
背後から、かっちゃんの声。
あとで訓練、付き合え」
反射的に返事をしようとして、僕は一瞬、言葉に詰まった。
同時に、轟くんの手が止まる気配がする。
「…..今日?」
「あたり前だ。最近、動き鈍ってんぞ」
責めるような言い方なのに、視線は俺の肩や腕を確かめるみたいに走っている。
そのことに気づいて、胸の奥が少し痛んだ。
「俺も行く」
今度は、轟の声。
静かだけど、はっきりしていた。
「三人でやった方が効率がいい」
かっちゃんが、ぴたりと動きを止める。
「…..は?」
「別に、邪魔はしない」
轟くんはそう言って、僕を見る。
その視線は真っ直ぐで、逃げ道を許さない。
「出久の癖、俺も把握しておきたい」
(…..癖)
それは、ヒーローとしての話のはずなのに。
なのに、どうしてこんなにも、胸がざわつくんだろう。
「お前なぁ……」
爆豪の声が低くなる。
「デクは俺が見てりゃいいだろ」
轟くんが「 それは爆豪の独占だ」
かっちゃんが「ンだと?」
一気に空気が張りつめる。
さっきまでより、ずっと鋭く、
逃げ場のない緊張。
「ち、ちょっと待って……!」
慌てて割って入ると、二人の視線がまた、同時に僕 へ向く。
(…..やっぱり)
中心にいるのは、いつも僕だ。
望んだわけでも、誇れるわけでもないのに。
「二人とも、そんな言い方しなくても…..三人でやるなら、それでいいし……」
声が弱いのは、自分でも分かっていた。
でも、これ以上、
どちらかに寄るのが怖かった。
かっちゃんは舌打ちをして、目を逸らす。
「……チッ。好きにしる」
轟くんは、ほんの一瞬だけ、
安堵したように息を吐いた。
「決まりだな」
その反応の差が、胸に引っかかる。
(僕は…..)
かっちゃんと轟くんのどちらかを
選んだわけじゃない。
でも、選ばせてしまっている。
三人で訓練場へ向かう背中が、
どこかぎこちない。
並んで歩いているはずなのに、
距離は揃わない。
この均衡は、確実に揺れている。
そしてきっとーー
次に崩れるのは、僕の心だ。
いいねよろしくお願いします。
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