テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
柔「俺、結構ガチで仁ちゃんのこと好きっつーか、ずっと仁ちゃんだけ見てたんだけど。知らなかったの?笑」
全く知らなかった柔太郎の俺への好意。
「知らなかったの?」って言ってますけども、あなた。そんなの知ってるわけないじゃないですか。
仁『…ふぇ?ほんとに言ってる?』
しっかり告白されたし、なんなら、いまだに抱き着かれたままなんだけど信じられず。
俺が聞くと、柔太郎は少しだけ悲しそうな表情をしたあと、すぐに拗ねているような顔をして
柔「本気だよ~?ま、勇ちゃん一筋な仁ちゃんは俺のことなんて見てなかっただろうから、俺が仁ちゃんのこと見てたことなんて知らないか」
そう、おどけたように言った。
仁『だって…じゅう、俺にだけ口悪いときとかあるし…いじわるなことばっかり言うじゃんか』
YJげーみんぐ。のときも、普段は「クレームがないことがクレーム」と言われるくらい全方位に敵なしの柔太郎が、俺には「うっせぇなぁ」とか「視野せめぇなぁ」とか、ものすごく口が悪くなるし
「俺の表情を見てると恥ずかしくなる」とか、曲の振りで二人で目を合わせるときなんて視線を逸らしてるか、ひどいときは手で俺の顔を隠すのに
悶々と考えていると、
柔「そんなんさぁ、好きな子にはいじわるしちゃうソレでしかないじゃん笑。鈍すぎますねぇ、吉田さんは」
と、目元にしわを作りながら笑うこいつ。
なんだよそれ。
好きな子には普通に優しくしろよ。
仁『えぇ…?』
いまだ困惑中の俺を見て、かわいそうになったのか抱き着いていた体を離した柔太郎は、俺の頭をポンポンと優しく触ると、
柔「…やっぱり困らせたね。ごめんね」
と、さみしそうに呟いた。
柔「別にすぐに答えがほしいとか、勇ちゃんを諦めてほしいとかは全然思ってないよ」
仁『思ってないの…?』
柔「あたりまえでしょ。俺だって逆の立場だったらずっと好きだった人を諦めることも、すぐに答えを出すこともできないし。
ただ…」
仁『ただ…?』
少しだけ黙って下を向いた柔太郎。
俺も黙って柔太郎の次の言葉を待つ。
柔「…俺は仁ちゃんが好きだから、仁ちゃんには笑っていてほしいし、幸せでいてほしい。そんで、仁ちゃんを笑顔にしたり、幸せにできるのが俺だったら嬉しいなと思う。でも、困らせたいわけじゃないし、無理に付き合ってほしいわけでもない。だから、すぐに答えは求めない。
だけど…
勇ちゃんを諦めてほしいとは言わないから、俺が仁ちゃんを好きでいることは許してほしい」
161
82
#ご本人様には関係ありません
普段は人と目を合わせることが苦手な柔太郎。
そいつが今俺の目を真っ直ぐに見つめて気持ちを伝えてくれいる。
その目には強い思いと不安が入り混じっているように思えて、俺への好意が本気かどうかなんて愚問だった。
゛柔太郎が俺を好き”
改めて自覚するとだんだんと顔や体が熱くなってくる。
柔「仁ちゃん、顔赤いよ笑」
…頼むからそんな愛おしそうな顔をしてこっちを見るのはやめてくれないか。
仁『言うなって…。恥ずかしいから…』
おそらく今の俺の顔はゆでだこ以上に赤いだろう。
そんな顔をこれ以上こいつに晒したくなくて、下を向く。
すると、もう一度抱きしめられた。
仁『ちょっ…じゅうっ、』
柔「…仁ちゃん。」
仁『なんだよ…』
柔「俺、本気だから。仁ちゃんに俺を好きなってもらえるようにするから…覚悟しててね」
少しだけ震えているような、いつもよりちょっと掠れた声。
仁『お前…俺のこと好きなんて悪趣味すぎるだろ…』
こいつの緊張が俺にも移ってしまって、どうにか言葉をしぼりだす。
すると、
柔「俺のスキル全部使って、仁ちゃんゲットするから」
仁『ゲームをクリアするような感覚なのかよ笑』
抱きしめられたまま二人で笑い合う。
「ふぅ」っとため息をひとつ吐いて、
柔「まぁ、仁ちゃんに俺のことを好きになってほしいのはほんとだし、アピールもしていくつもりだけど、これからもいままでの関係性でいてくれたら助かる。どうしたってこれからもずっと一緒にやっていく仲だしさ。よろしくね」
あえてそう言ってくれたのは、俺が気にしいなのを理解していたり、周りに迷惑をかけないためのこいつの配慮だろう。
どこまでも優しい男だね、君は。
仁『わかった。でも、アピールはほどほどでお願いしたいところですね、俺耐性ないんで』
俺がそう言うと爆笑し始めた柔太郎。
仁『うるっさ!急に耳元で大笑いしないでよ!笑』
柔「だってさ、かわいいんだもん笑」
仁『かわいいってやめて!しんどい、しんどい、しんどい!』
畳みかけるようにそう伝えると、ついに俺から体を離して本格的に笑い出した。
なんなん、こいつ。
でも、こいつのおかげでさっきまで辛くて苦しかった気持ちが少し軽くなった気がする。
知らなかった彼の恋心を知ったこの日を境に、俺たちの関係は少しずつ変わっていった。
コメント
4件
やばいやばいやばい続き待ってます

