鈍いкgと大人故に奥手だけどタイミングが合えばグイグイくるrτ。
「あー!カゲツ、これあげる」
「ほい、あげる」
「カゲツー」
「これどうぞ」
「カゲツ」
「カゲツ〜」
個包装タイプのお菓子を前にして任務から帰宅したカゲツは首をひねった。
最近、会うたびに宇佐美からお菓子を貰う。
自分と宇佐美は西と東で分かれているため会う機会が限られている。
貰う頻度が度々だったらまだ分かるが、記憶にある限り顔を合わせることがあれば毎回お菓子を寄こしてきている。
貰うのはよくあるスナック菓子。たまにいいところのシュークリームだったりする。
これはお前もなんか寄こせよ、ということなのだろうか。そんな素振りはなかったように思えるが。
あいつ誕生日いつだっけ。
調べれば宇佐美の誕生日は真夏。
誕生日プレゼントを寄こせ、という布石を打っておくとしてもこれではあまりにも早すぎる。
それにそういったものにがめつい奴でもないのを知っている。
包装を破って貰ったクッキーに齧り付く。
一体どういう意図なのか。
真意が分からない。
サクサクした食感に甘いバターの香り。
毎回お菓子をくれる人。と考えて連想したのはちびっこに親戚がお菓子を渡す様子。
あいつまさか僕のことちびっこ扱いしてる?
周りから年下扱いされることは多いし慣れている。ただ、ちっちゃい子扱いとなれば話は別。
一応自分は成人男性だ。宇佐美から見て自分は小柄だろうし幼く見えるかもしれない。しかし、同じ身長の伊波や緋八にはここまで頻繁にお菓子を渡しているところは見ない。
お子様扱い……。
いや、宇佐美ならあり得る。
今までも何かと世話を焼かれた記憶がある上に自分とサシになると彼が何かと自分が面倒だと思うことを率先してやってくれることが多いから。
ヒーロー内で自分だけちっちゃい子扱いとなれば嫌だ。
次に会ったら宇佐美に言わなければ。
_____別日。
「いたいた。カゲツ、これあげる」
任務会議後、休憩スペースのイスで一息ついていればいつものように宇佐美がそばにやってきてお菓子を差し出してきた。
「なぁ、宇佐美」
「ん?」
「僕のこと子供扱いしとるやろ」
「え?」
それを受け取らず、宇佐美を見上げる。
聞けば目を瞬かせる。きょとん、とした表情で僕を見た。
「なんで?」
「お前いっつもお菓子渡してくるやん。今みたいに」
「うん」
「親戚のおじさんかよ」
「誰がおじさんだよ」
コメント
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主様の久々の更新嬉しすぎます、ありがとうございます。ノーマークだった組み合わせなのでわくわくが止まりません!続きもとっても楽しみです🫶🏻💓