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(湊斗)「え、まぁ、よく行きましたけど」
(古賀)「ほんとに会いたいなら、実家行ってみるとか、見かけたとこで待ち伏せするとか、いろいろあるだろ」
(湊斗)「行きましたよ、実家。音信不通になったころ」
(古賀)「·····」
(湊斗)「想のお母さんが、元気だから気にしないでって、想の大学まで行って、ちょっと話したんですけど·····うん。ほんとに元気だったから。もうしょうがないなって。向こうが関係切りたいなら、どうにも」
(古賀)「·····何言ってた? 佐倉」
湊斗、思い出して、視線が落ちて、
(湊斗)「想、紬いらないって」
(古賀)「·····(湊斗から目をそらす)」
(湊斗)「俺もう青羽いらないから、やるよって、あげるって」
(古賀)「·····」
(湊斗)「悔しいからすぐもらわなかったんですけど、結果もらいました。紬に聞かれたら私はモノじゃないってキレられそうですけど」
と、笑い話にしようとする。
(古賀)「·····」
古賀、事務所に入って、スマホを見る。
【最近どう?】と送ったLINEに、【静かです。】と想から返信。
賑やかな店内。
勤務中の紬、品出しをしている。
大学生のアルバイト・田畑利空(21)、特に何もせずだらだらと近付いてきて、
(田畑)「青羽さん、社員なるってまじですか?」
(紬)「え? いや、まだわかんないけど。なれたらラッキーだけど」
(田畑)「新卒もとってくれるか聞いといてくださいよー」
(紬)「田畑くん就活してんでしょ?」
(田畑)「週3でスーツ着て電車乗ってたらおかしくなりそうで。週5でそれしたら俺、もう、終わります」
(紬)「あー·····(いろいろと思い出して)おかしくなってからだと遅いからねー」
(田畑)「ですよねー」
二人から少し離れたところ、高校の制服姿の男女が試聴機で交互に音楽を聴いている。
(紬)「·····」
紬、つい見つめてしまう。
田畑もそれを見て、
(田畑)「戻りたいなぁ、高校生」
(紬)「·····」
(田畑)「青羽さん、なんで会社辞めたんすか?」
まだ高校生たちを見つめている紬。
【佐倉】と表札のある一軒家。
想の実家にやってきた湊斗。
緊張して手が震える。
一息ついて、チャイムを鳴らす。
(萌の声)「はーい」
と、玄関の戸を開ける想の妹・佐倉萌(20)。
(湊斗)「あ·····萌ちゃん?」
(萌)「(誰かわからず)·····はい」
(湊斗)「あ、わかる? 想の、高校の同級生の」
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