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※実際の団体、個人とは無関係です。
※成人向けに準ずる表現があります。ご注意ください。
※その他、捏造した設定が多く含まれます。
※中華絵巻を元にしてます。
※モブ多めです。
※※※痛々しい表現が多くあります。
閲覧には十分注意してください。
桃娘、不老長寿の血肉を作るために幼い頃から桃以外の摂取を禁じられている人間。
その身体、体液、体臭に至るまで全て桃のように甘いという。
街の中心から離れた物静かな雰囲気に合わない豪奢な建物。ここは政府からのお目溢しを受けている茶屋だった。
表向きはコンセプトとして桃娘を取り上げているだけだというが、その実、孤児や買い上げた子供を本当に仕立てているという噂もあったのだ。
セラフはそんな内情を見てきてほしいと皇帝に近しい仙人、ミランに頼まれてしまい渋々やってきていた。
一人では気まずかったのでもちろん四季凪を巻き込んだ。
彼はこの街になかなか詳しい。そういうことにもそこはかとなく詳しい。
建物に入るとまず目についたのは受付だ。
受付のカウンターは向こうの顔が見えない仕様になっている。
声をかけるとすぐに男の声が返ってきた。
その声に従ってセラフ、四季凪両名が茶を飲む部屋を選んだ。まぁ、茶を飲むだけで終わらないのがこういった類の店な訳だが…。
受付や店内に 今のところ目立って怪しいところはない。
数分の待ち時間の後、腰の低そうな老人が彼らをそれぞれの部屋へ案内する。
四季凪が通されたのは黒を基調とした落ち着いた部屋だった。
真ん中にある天蓋付きベッド、その脇の机には茶器や湯の入ったポットがあった。
部屋を見渡せる位置の椅子に座り、娘を待つ。
程なくして、自分が来た扉とは別の戸から長い裾を引きずって紫の髪をした華奢な男性が現れた。
恭しくお辞儀をしてから顔をあげると、四季凪と目が合った。 綺麗な黄金の瞳にはっきりとした目鼻立ち。
「……えっと、雲雀です。本日はよろしくお願いします。」
『はい。こちらこそよろしくお願いします。』
「お隣、いいですか?」
『どうぞ。貴方は——』
軽く自己紹介してから雲雀は四季凪の隣の椅子に座り、慣れた手付きでお茶を淹れ始めた。
茶屋だと言うのに男性が来たことに少々驚いたが、 他愛のない話から始め、次第に深い話へと違和感なく進めていく四季凪。
雲雀も敬語こそたどたどしいものの、どんな話題にもしっかりと答えていく。
それから四季凪は雲雀と話を続けた。
雲雀が髪を揺らすたびに甘い果実の香りが漂い、確かにこれは人を狂わせる力があると納得する。
その上、気が強そうな容姿ではあるが話していると気さくで愛嬌があって、とても可愛らしい 。
——調査依頼で来ているとはいえ、自分は巻き込まれた側だ。少しばかり楽しんでもいいのでは?
四季凪の頭の中には一瞬そんな考えがよぎった。
それにこういった調査は一朝一夕で済むものでもない。また通うことになるだろう。
「んで、俺な?…あっ、俺やなくて、わっ、私っ!」
『ふふ、構いませんよ。いつもは俺なんですか?』
「やー、そうなんすよ。やっぱ敬語って慣れないんよね…」
机の上に置かれた雲雀の手に自身の手を重ね、四季凪は 逆の手で彼の髪を優しく撫でた。
『雲雀、そろそろ…』
頬を手で包み込み、顔どうしの距離を詰めていく。
雲雀はすっと目を細めて艶のある表情をしてみせた。それから四季凪を受け入れ、唇を触れ合わせる。
胸元の大きく空いた部分に手を差し入れ、軽く手前に引いてやると簡単に素肌が露わになった。
「ん、…ぁっ……」
淡い桃色の小粒を指の腹で撫でると、雲雀から薄く声が漏れ出てくる。
四季凪は腰の辺りがじわじわと熱くなってくる感覚に耐えるように眉間にしわを寄せ、雲雀の腰を引き寄せた。
再びキスをしようと目を合わせると、雲雀は四季凪の胸を軽く押し返した。
『…嫌ですか、こういうのは』
「ん?嫌やないよ。四季凪さん、かっこいーし。」
先ほどの子悪魔のような表情とか違い、ケロっとした顔でそう言った雲雀。
疑問符を浮かべた四季凪を置いて、話を続けた。
「そろそろ時間!延長とかあるんやけど、どする?」
『あぁ…そういう……。いえ、今日はここまでで。』
四季凪も雲雀から離れ、いきり立ちそうな小さき己に鎮まるよう念を送る。
そうして、部屋を出ると帰り口ギリギリまで雲雀はついてきて、見送ってくれた。
「また来てなぁ〜 」
今日はあくまで調査1日目。信頼関係を得て、より大きな情報を得られる手段としてはなかなか上々だっただろう。
あとはセラフと合流して今日のまとめに入るとしよう。
四季凪は一度自分の中で整理をしながら茶屋を出た。