テラーノベル
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tg視点
放課後。
昇降口の前で待っていたあっとくんに、
俺は小さくうなずいて、隣に並んだ。
at ……ちょっと、歩こう
それだけを言って、あっとくんは少し前を歩く。
無言の時間が、こんなに緊張するなんて思わなかった。
tg(心臓、うるさい……)
どうしよう。ちゃんと、言えるかな。
手紙をくれたのは、あっとくんなのに。
きっかけをくれたのは、あっとくんなのに。
だけど、今、言わないと。
この気持ちは、きっともう止まらない。
ふと、あっとくんが立ち止まった。
夕焼けに染まった、公園のベンチの前。
at ……ちぐ
名前を呼ばれただけで、胸がぎゅっとなる。
at 手紙、読んでくれた?
俺は、小さくうなずいた。
tg ……うん。読んだよ
at そっか
あっとくんが、ゆっくり息を吐く。
at 俺、自分でもびっくりした。数字なんて上がるわけないって、思ってたから
at …でも、上がった
at うん。最初は1で、昨日は3で……今、たぶん……もっと
俺はその言葉に、ぎゅっと拳を握る。
tg ……俺ね、ずっと、あっとくんが好きだった
あっとくんの目が、驚いたように見開かれる。
tg 頭の上、ずっと850超えてて……バレてるのもわかってて、でも、言えなかった
tg 俺のことなんて、ずっと0だって……思ってたから……
夕焼けの光に照らされた俺の頬は、真っ赤だった。
声が震えて、涙がにじむ。
tg …それでも、あっとくんが手紙くれて……俺、ほんとに、ほんとに嬉しくて、っ
あっとくんは、ゆっくりと手を伸ばしてきた。
そして、小さな声で言った。
at ちぐ……俺、今、たぶん、10
tg …え?
at 今日、ここに来るまでに、ずっと考えてた。
ちぐが好きって言ってくれたら……きっと、もっと上がるんだろうなって
at だから、聞かせて
at ちぐの口から、“好き”って
心臓が爆発しそうだった。
涙がこぼれそうだった。
それでも、ちゃんと顔を上げて――言った。
tg ……好き、だよ。あっとくんのこと…だいすき、だよ
その瞬間。
空気がふわっとやわらかくなった気がした。
そして、あっとくんがそっと笑った。
at …俺、今、たぶん……15くらい
俺の顔が、ぱぁっと明るくなった。
夕暮れの公園に、ふたりの笑い声が響く。
そして、ベンチの影――
あっとくんの頭の上の数字は、ゆっくりと……17に変わっていた。
あと1話!!もうそろ完結やぁ!!
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コメント
2件
うぉぉロマンチック( ੭ ᐪ꒳ᐪ )੭