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コレは筆者の実体験である…
「自分の物は自分で片付けなさい」みなさんも母さんや先生にこんな事、よく言われましたよね…
この物語はそんな言葉なんて忘れ去ったとある乙女(?)の実体験………
「さて……」
ゴム手袋をはめ、台所に立つ。目の前には二ヶ月間放置された弁当。当然カビも生えている。
「自分の物は自分で……」
泡を立てたスポンジを構え、弁当の蓋を開ける。
すると一気に悪臭が私の鼻を通り抜けた。臭い、臭すぎるっっ!!
乗り気では無い気持ちを音楽で何とか盛り上げる。
やはり面倒くさいばかりではいけないのだ。時には勇気を出し、目の前の物事に立ち向かう事も必要である。
まずは腐り切った枝豆の殻をコンビニのビニール袋に流し込む。臭いので鼻をつまみながら。
落としてしまった物もきちんとビニール袋に入れる。
弁当はすぐに流し台へ投げ込み、母に習った「つけおき」をする。
とりあえずゴミ処理には成功した。今すぐにでもやめたい衝動に駆られたがまだ仕事は残っている。
「憂鬱だ…」いや、待て、お前が放っておいたんだから今洗ってるんだろーが…それを責任を持って最後まで洗い切るのがけじめという物だ。やれやれ…
次にスポンジで必死に弁当を擦る、擦る、擦るっ!!
いくらやっても取れない。
何故、why?
何とかほとんどの汚れを取る事に成功したが、所々黒く残っている。
大半は音楽のおかげで正気を保っている。
これ以上は流石に取れなかったから潔く諦める。
次は蓋か……
音楽のせいで自然とテンションが上がっていた私はそのまま蓋も洗い始める。
なのに……何故いくらやっても汚れは取れないのだ……?
分からない事はGoogle先生に聞くのが一番だ。
そこで私はGoogle先生のおかげで忘れてた事に気がつく。
「漂白…」
そう、私は一番肝心な漂白を忘れていた。何て事だ!
早速弁当に漂白剤をかける。
漂白剤なんて久々に使ったので手つきはあまり良くない…
「よし、後はしばらく置いておくだけだ…」
私は逃げる様に台所からリビングへ移動した。
何分か経った後、様子を見に台所へ行くと…
何とそこには汚れ一つ無いピカピカな弁当箱があった!
感動しているのも束の間、所々汚れはあったのだが、もう限界!
とりあえず「つけおき」くらいはしておこう。そもそもこの弁当なんて滅多に使わないからな。
無事この仕事を終えた私は達成感に包まれ、そのまま一日を過ごした。
しばらく時は経って——
「はぁ…」
何て事だ。私は「つけおき」していた弁当の事をすっかり忘れていた…
水は黄、いや、茶色?に濁っている…
また洗わないとダメか……
私は溜め息を吐いた。