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みことの手が、無意識にすちの背中を求めて這う。
爪が少し食い込むほどにしがみつくその動きは、まるで「離れたくない」と身体で訴えるようだった。
「……すちくん……っ、もう……わかんない……でも、気持ちよくて……止まんない……っ」
みことの頬は紅潮し、涙すら滲んでいた。
すちはその一滴を唇でそっと受け止めながら、囁く。
「何も考えないで。感じて……」
またひとつ、波が来る。
敏感になりすぎたみことの身体は、触れられるたびに跳ね、甘い声を何度も漏らしてしまう。
その声に煽られるように、すちはさらに深く、奥へと求めていく。
「どこまでも……つながってたい……離れたくない……」
「俺もだよ……全部、俺に預けて」
どこまで満たせば足りるのか――それすら分からなくなるほど、ふたりは求め合った。
やがて、幾度目かの絶頂のあと、みことの瞳がとろんと潤んで、そっとすちの胸に顔を埋める。
「……もう、すちくんなしじゃ……だめかも」
「最初から、そうだったでしょ」
そうして、ふたりはぴったりと抱き合ったまま、静かに眠りに落ちていった。
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みことはまぶたをゆっくり持ち上げ、目の前ですちの寝顔を見つめた。
(……ほんとに、夢みたい)
何度も交わした甘い言葉、触れ合った指先。
すちの腕の中はまだあたたかくて、ぴったりと包み込まれる安心感に、みことの胸がじんわり熱を帯びてくる。
動こうとした瞬間、すちが目を細めながら、みことをぎゅっと抱き寄せた。
「……起きたの? まだ寝てて。……みこちゃん、昨日、すごかったんだから」
「えっ……や、やだ……思い出させないで……!」
顔を真っ赤にして布団に潜ろうとするみことを、すちは容赦なく捕まえる。
「恥ずかしいなら、ちゃんと覚えてて。……あんなに、俺に夢中になってたの」
「すっちーが悪いんやから……あんなに優しくされたら……もう、何も考えられないもん……っ」
「じゃあ、また何も考えられなくなるくらい甘やかそうかな。何回でも」
「……ばか。……好き」
すちはくすっと笑いながら、みことの髪を撫でる。
「俺も。ずっと好き。誰にも渡さないからね」
甘い言葉が、またふたりの間に静かに落ちる。
このまま時間が止まればいい――そう思うほど、心地いい朝だった。
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