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交差点での再会
都会の喧騒が響く交差点。
信号が青に変わり、歩行者たちが一斉に道を渡り始める。
その中に、ひとりの青年がいた。
黒縁メガネが似合う、どこか落ち着いた表情の翔太だ。
スマホを見ながら歩いていた彼の視線が、ふと横にそれる。
「……え?」
目の前にいたのは、見覚えのある女性。
長く伸ばした髪、微かに笑みを浮かべた澪だった。
「澪……?」
彼女も驚いたように翔太を見返す。
「翔太? 久しぶり……!」
二人の足が自然と止まり、交差点のざわめきが少しだけ遠のいたように感じられた。
「大学で偶然会うなんて、すごいな」
「うん、まさかこんなところで会うなんて思わなかった」
しばらく、何を言うでもなく互いの顔を見つめ合う。
やがて、翔太が笑った。
「変わったね、澪。いい意味で」
「翔太もね。落ち着いた感じになった」
「また、一緒に話さない?」
澪も頷いた。
「うん。久しぶりにゆっくり話したい」
その瞬間、ふたりの間にあった時間の空白が、ほんの少しだけ縮まった気がした。
もう一度の告白と新たなスタート
交差点での再会から数週間。
ふたりはカフェで会い、昔話や今の夢を語り合いながら、少しずつ距離を縮めていた。
ある日、大学の帰り道。
夕暮れの街並みがオレンジ色に染まる中、翔太は澪を静かな公園に誘った。
「澪、話したいことがある」
澪は少し緊張したようにうなずいた。
「実は、あの頃の告白の時からずっと、君のことを想っていた。大学で再会して、さらに確信したんだ。俺と、これからの人生を一緒に歩んでほしい」
翔太はポケットから、小さな箱を取り出した。
中にはシンプルな指輪が光っている。
「正式に、付き合ってほしい。……そして、よかったら、一緒に住まないか?」
澪の瞳が涙で輝いた。
「翔太……ありがとう。私も、ずっとあなたといたいと思ってた」
二人は抱き合い、これからの未来に希望を込めた。
数ヶ月後。
二人は都心の小さなアパートで暮らし始めていた。
部屋の壁には、文化祭で飾った澪の絵が飾られ、窓際には翔太が選んだ観葉植物が揺れている。
毎日が忙しくても、互いに支え合い、笑い合いながら新しい日々を紡いでいった。
エピローグ・大学編
翔太と澪の物語は、まだ始まったばかり。
二人が選んだ道は、これからも挑戦と成長に満ちている。
けれど、どんな未来が訪れても、お互いの手を離さずに歩いていけると信じていた。